調布のカフェやダイニングバーなど市内8カ所で5月19日、さまざまなスタイルで映画を上映する企画「調布まちシネマプロジェクト」が開催される。
同市は1950年代の邦画全盛期、「東洋のハリウッド」と呼ばれていた。現在でも角川大映スタジオや日活撮影所をはじめ、40近くの映画関連企業が集まっており、市も「映画のまち調布」をスローガンにPRしている。しかし市内唯一の映画館「パルコ調布キネマ」が2011年6月に閉館となり、市内から映画観賞施設が姿を消した。「常設施設は無理でも映画を気軽に見ることができる環境をつくろう」と、調布でコミュニティービジネスを推進する団体「調布アットホーム」が同企画を立ち上げた。
当日は、調布駅近隣5カ所、仙川駅近隣3カ所の市内飲食店などで、「通常の映画館では体験できない映画の楽しみ方」ができる。福祉作業所「はあとふるえりあ」とスポーツバー「RACH(ラッチ)」では、1920年代に活躍したコメディアン、ハロルドロイドの無声映画を女性活弁士の説明と合わせ上映するほか、京王多摩川の「カフェ大好き」ではスイーツやコーヒーと共に映画を楽しむ企画を実施。ライブハウス「GINZ」ではおもちゃの楽器の生演奏とともに昔のアニメーションを上映、カフェ「pan no me」(パンノメ)では、ベトナム料理を味わいながら同国の映画を鑑賞できる。入場料は会場によって異なる。
同企画に合わせ、多摩信用金庫が企画したお土産企画「東京アベック」から2012年に生まれた「東京黒カステラ」の調布版を「調布まちシネマ・カステラ」としてリメークして発売。調布の名物「深大寺そば」にちなみ、そば粉が入った同カステラは、つつじヶ丘の和菓子店「今木屋」が製造する。
同プロジェクトの代表・田辺弘樹さんは「メジャーな作品はないが、普段観る機会の少ない秀作をそろえた。各会場とも、映画をただ観るだけではなくプラスアルファの企画を用意したので、新しい映画の楽しみ方がきっと見つかると思う。ぜひ会場へお越しいただきたい」と話す。
上映開始時間や料金は会場によって異なる。各会場とも事前申し込みが必要。詳しくはホームページで確認できる。