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調布・築14年のアパートをアーティスト作品で再生-募集から2週間で満室に

若手アーティストの作品を共同スペースに常設展示する賃貸アパートの「HI-CUBE」

若手アーティストの作品を共同スペースに常設展示する賃貸アパートの「HI-CUBE」

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 京王線西調布駅から徒歩6分にある築14年の単身者向け賃貸アパートのオーナーが、新進気鋭の若手アーティストの作品を共同スペースに常設展示する試みで物件を再生し、現在満室になっている。

岸野真生子さんの作品(左)とM!DOR!さんの作品(右)

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 築年数のたっている賃貸物件は外観や間取り、設備など、新築物件に比べ魅力で劣り、成約が難しいため、家賃値下げやリフォームで付加価値を付ける対策が通例。そこで同アパートオーナーの蔭山穣さんは「もう一歩先を行く必要がある」と考え、発表の場を探る若手アーティストとアート好きな居住者を融合させようと、嗜好(しこう)性の高いギャラリーのような居住空間を実現させた。

 同アパートは2階建てで1室約20平方メートルの1Kが 12戸。ロフト付きで天井高が高いことから「HI-CUBE」と名付けた。入居者は20代の学生が多く、世代やオリジナリティーが構想とリンクすることなどから、蔭山さんが共通の趣味でつながりがあり既に多方面で活躍する若手イラストレーターの岸野真生子さん、コラージュアーティストの「M!DOR!」さんの作品を抜てき。現在、2人が同アパートのために描き下ろしたオリジナル作品2点と既存の作品4点を共同エントランスにパネル展示している。

 仲介する「調布ハウジング」(調布市布田1、TEL 042-443-8246)は「特徴ある物件は興味を引き、入居者からも好評のよう」と高評価し、家賃は同エリアの相場より高めの設定だが入居募集から2週間以内に成約したという。

 蔭山さんは「作品を飾るだけではなく、出会いから何かが生まれることに期待している。今後入居者の意見も取り入れ、何らかの形で地域の方々や電気通信大学生ともコラボレーションができれば最高。このような試みの積み重ねで自然と物件に温かみが生まれ愛着を持ってもらえれば。地域にも愛されるようなシンボル物件にすることが目標」と話す。

 西調布では、そのほかにも、アートの力で地域を活性化するプロジェクトが進行。駅近くの商店会「西調布一番街」にある古い物件を「シェア・アトリエ」として活用。5組の入居者を迎え、2月11日にオープンしている。

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