稲城「いなぎめぐみの里山」が自然環境保全地域に指定

雑木林が作り出す心地よい木陰には爽やかな風が通り抜けていく

雑木林が作り出す心地よい木陰には爽やかな風が通り抜けていく

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 生活協同組合パルシステム東京(新宿区)が稲城市に所有する「いなぎめぐみの里山」(稲城市百村)が3月15日、同市の「自然環境保全地域」に指定された。

共同作業で完成した遊歩道は今後も定期的にメンテナンスを行う

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 同組合が作物生産などの農業体験や里山体験の企画を通して、農の大切さや里山の環境保全について学ぶ機会を提供しようと2004年に開設した同エリア。クヌギやコナラ、イタヤカエデなどの陽性高木林が広がる約2.1ヘクタールの山林部分が、稲城市における自然環境の保護と緑の回復に関する条例に基づき、同地域に指定された。

 同地は同組合からの委託によりNPO法人「いなぎ里山グリーンワーク」が管理。約40年ぶりに人の手が入った畑だけでなく雑木林や竹林までを管理し、年間約50回の農業体験などを通じて里山保全の意義を伝えている。

 さらに、同組合は未整備だった傾斜地の竹林資源に目を向け、竹の間伐や運搬、伐採した竹を使った道づくりの一連の作業を通じて、組合員の健康増進を図るイベントを企画。5月19日には、全国の竹林整備に実績を持つ認定NPO法人「JUON(樹恩)NETWORK」を講師に招き、第1回となる「竹の伐採と道づくり in いなぎめぐみの里」を開催。5月26日には、健康ウオーキング指導士・歩育コーチの西田富美子さんを講師に招き、「森林浴ウオーキング in いなぎめぐみの里山」を開催し、3キロメートルのウオーキングを体験するという。

 里山での企画・運営に5年間携わっているパルシステム東京職員の松長乃生さんは「イギリスなどでは森林資源を活用した『グリーンジム』が普及している。新鮮な空気を吸いながら、みんなで共通の目標に向かって汗をかき、目に見える成果物を喜び合う、今までにない付加価値を生み出していきたい」と話す。

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