調布の糟嶺(かすみね)神社(調布市入間町2)境内で1月14日、どんど焼きが行われた。
どんど焼きは小正月に日本各地で行われる火祭りの行事で、平安時代の宮中、清涼殿の東庭で青竹を束ねて立て、毬杖(ぎっちょう)3本を結び、その上に扇子や短冊などを添えて陰陽師が謡いはやしながら焼いたという行事が起源といわれ、現在は無病息災を祈願する祭りとされている。
同神社は農業の糟嶺大神を祭っている旧入間村の鎮守社で、多摩群の墳陵の一つといわれる高さ3.81メートル、根回り127メートルの墳陵の上に立っている。御神体は衣冠を付けた男神像で、像内の墨書名札から1704(宝永元)年に造られ、1861(文久元)年に修理されたことが分かっている。
10時から始まったどんど焼きは、積み上げられた正月の松飾りやしめ縄などを前に神主がおはらいを行った後、点火された。勢いよく燃え広がる炎に、見物客から歓声が上がった。同市在住の原島芳一さんは「昔は至る所で見かけることができたが、最近はゴミとして出す家庭も増えている。伝承行事を守っていってほしい」と話す。