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調布・布多天神社の樹齢500年ご神木にお別れ 子孫のケヤキへ未来託す

布多天神社のご神木として親しまれたケヤキにこれまでの感謝を奉告し、作業の安全祈る様子

布多天神社のご神木として親しまれたケヤキにこれまでの感謝を奉告し、作業の安全祈る様子

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 布多天神社(調布市調布ヶ丘1、TEL 042-489-0022)で5月10日、ご神木として親しまれた老ケヤキの伐採清め祓(はら)いが行われ、11日から伐採・撤去作業が行われている。

5月10日に行われた伐採清祓い式の様子

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 少名毘古那神(すくなひこなのかみ)と菅原道真公を祭る同神社は927(延長5)年制定の古代法典「延喜式(えんぎしき)」に名を連ねており、社伝では約1940年前の第11代垂仁(すいにん)天皇の時代に創建されたという多摩地方有数の古社。

 ご神木は社殿前のしめ縄を張った玉垣内に鎮座した樹齢約500年のケヤキ。長年にわたり氏子や市民に親しまれていたが、2003(平成15)年の火災で衰弱し2021年に寿命が尽きた。現在は、同ケヤキの種から発芽させた若木が参道両脇に植樹され代替わりしている。

 関係者と共に清め祓いを斎行した禰宜(ねぎ)の野澤晃司さんは「大きなケヤキだったので、昔から調布で暮らす市民にとって思い出深いようだ。子どもの頃、ご神木の前で撮影したという写真を見せてくれる参拝者もいた」と話す。「清め祓いではこれまでの感謝を奉告し、作業の安全をお祈りした。若いご神木が未来を見守ってほしい」とも。

 同神社総代会長の原良男さんは「子どもの頃から見てきたご神木なので寂しい気持ちもあるが、生きるものはいつか滅びるもの。ご神木は子孫が根付くのを確かめてから朽ちていったことに神秘を感じる。命を受け継ぎ、次の世代にバトンタッチしたケヤキの今後が楽しみ」と話す。

 伐採したご神木は現在、境内に安置されている。野澤さんは「お役目を終えたご神木に参拝者がそれぞれの思いをはせていただければ」と話す。

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