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調布・メダカ水槽に「マリモのようなもの」自生 国立博物館で調査、紹介も

調布市こころの健康支援センター館内のメダカ水槽に「マリモのようなもの」が自然発生

調布市こころの健康支援センター館内のメダカ水槽に「マリモのようなもの」が自然発生

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 調布市こころの健康支援センター(調布市布田5)館内の水槽でマリモのような藻類が自然発生しているのを職員が発見し、見守りを続けている。

水槽を見守る「めだかクラブ」山崎千恵子さん(左から2番目)と同職員の皆さん

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 同水槽は縦25センチ、横38センチ、高さ27センチの、ポンプなどを使わない調和水槽で、2022年からメダカを飼育するため、施設内のデイルームに設置している。日頃から職員や利用者の目を楽しませ癒やしになっているという。昨年秋ごろ、メダカの飼育を担当する主な職員4人と自由参加の利用者による「めだかクラブ」メンバーの職員が、水槽内にマリモのように球体化し始めた藻(も)の存在に気付き、様子を見守りながら大切に管理していたところ、成長が見られ、個体数が6個に。年1回の水槽内の清掃では細心の注意を払い移動させるなど、関係者の間で「マリモのようなもの」への愛着は日に日に高まっていった。

 今年3月、川崎市の民家の水槽に発生したマリモ類が、国立科学博物館の調査で国内2例目の日本新産種「モトスマリモ」だったという事例から、同館植物研究部ではさらに類似の情報提供を呼びかけていた。これを報道で知った同センター職員らが同館に問い合わせたところ情報提供の依頼があり、水槽の履歴や環境などの詳細と共に、食品保存容器に入れた実物2個を宅配便で送った。顕微鏡観察と遺伝子解析の結果から、同センターの「マリモのようなもの」は「アオミソウ」であると判明。同辻彰洋博士から「『アオミソウ』は珍しい種類ではないため『マリモ類』に含めていなかったが、今回、多くの水槽で、球状で見つかったことなどから、今後は同類として扱っていこうと思う。家庭用水槽で多く見つかったのは新しい発見」と報告があった。

 その後も同館ではこの一連の情報をとりまとめ、「一般家庭の水槽で見つかったまりも調査」というミニ展示を行い、同センターの「アオミソウ」の写真も「調布市」の事例として紹介された。

 同職員で「めだかクラブ」メンバーの山崎千恵子さんは「『モトスマリモ』でなかったのは残念だったが、この子たちが何者であるか判明するまで、日々ワクワクさせてもらった。わが子が博物館で紹介されたのも光栄。多くの職員が上野へわが子の写真を見学に行ったことも楽しいエピソードになった。利用者にももっとこの子たちを知ってもらい、話題にして、コミュニケーションを図っていきたい。これからも大切に見守っていくつもり」と話す。「10月の『布田わくわく広場まつり』では、一般の方にも水槽を見ていただけるので、今から楽しみ」とも。現在、同水槽ではメダカと小型の淡水エビ、球状の「アオミソウ」4個が飼育されている。

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