調布の深大寺(調布市深大寺元町5)の水源のわき水近くのせせらぎで5月27日、光を放ちながら飛ぶゲンジボタルが確認された。
同寺は江戸時代、ホタルの名所として多くのホタルが生息していたが、近年では水質汚染や環境の変化などから見ることができなくなっていた。同市在住の市民らが「深大寺にホタルを再生させたい」という強いで活動を開始した。
市民らは2006年8月にホタル博士で板橋区ホタル飼育施設の阿部宣男施設長が水質調査を依頼。結果は残留農薬と病原菌細菌が確認され、ホタル再生は不可能に近かった。そこで、土壌活性剤「FFCエース」を池の中に投入し、阿部さんから分けてもらったホタルの幼虫のエサとなるカワニナを放流し様子を観察したところ、カワニナの繁殖やサカ巻貝などが確認できた。
その後さまざまな問題があったが、根気強く活動を続けたことで水質も改善され、昨年8月に約3万匹のホタルのふ化幼虫を放流。今年4月には阿部さんの指導の下、コケを植えるなどホタルが上陸できるよう整備した。
活動を続けてきた同市染地在住の女性は「阿部先生や張堂住職の協力により、深大寺にホタルが戻ってきた。水質改善には自信を持っていたが、さまざまな問題があり苦労も多かった。これからも活動を続け、子どもたちに良い環境を残したい。まちおこしにもつながれば」と話す。