
5月10日~16日は「愛鳥週間(バードウイーク)」。調布市内で現在、野川周辺や新緑がまぶしい公園に多様な野鳥が姿を見せ、初夏の訪れを告げている。
武蔵野エリアで確認されている野鳥は約200種といわれ、暖かくなるこの時期、多くの鳥が繁殖期を迎え、活発に活動する。野川をはじめ、都立野川公園や都立武蔵野の森公園など、水辺と緑に恵まれた市内各所で、さまざまな野鳥に出合うことができる。
とりわけ、野川と国分寺崖線の雑木林が接する「バードサンクチュアリ」と呼ばれるエリアでは、水辺と林の両方に生息する鳥たちが見られ、木立の上でエナガやコゲラ、シジュウカラなどのさえずりが聞こえる。
川沿いの遊歩道を散策する市民の脇を、カワセミが水面をかすめて低空飛行する姿もある。カワセミは長いくちばしで小魚をとらえることから、緩やかな川や湖などに生息する。光沢のあるヒスイのような体色を持つことから「飛ぶ宝石」ともいわれ、その姿を求めて探鳥や撮影に訪れる市民や愛好家は多い。
ヨシ(アシ)やガマなどの水草が生い茂る公園の池では、水鳥のバンやカモ、サギの姿が見られる。留鳥のバンはハトほどの大きさで、「クルルッ」と大きな声で鳴く。黒っぽい体に白いラインが目立ち、赤い額と黄色いくちばしが特徴。餌を探しながら芝生を歩くバンやカルガモが、来園者の目を楽しませている。
野鳥との距離が近くなるこの時期は、観察マナーにも注意が必要。日本野鳥の会は、アマチュアカメラマンの増加やSNSをきっかけとしたトラブルの増加を受け、初心者向けの観察・撮影ガイドラインを策定。都立公園の担当者は「野鳥は自然のままの状態でいることが最も大切。特に子育て中は警戒心が強くなる。かわいらしい姿を見かけた際は近づかず、静かに見守っていただけたら」と呼びかける。