
休業していた老舗店「中華料理 八幡」(調布市富士見町2、TEL 042-482-8280)が6月28日、1年ぶりに営業を再開した。
水木先生のアニメ作品のワンシーンと同様に並ぶ、二代目店主・鈴木利夫さん(左)と弟子の平野知大さん
2代目店主の鈴木利夫さんの体調不良により、昨年5月から休業していた1965(昭和40)年創業の同店。近所に住まいがあった漫画家・水木しげるさんが通い、上階アパートには、同じく漫画家のつげ義春さんがアシスタント時代に住んでいた。数々の水木作品に店内外の様子が描かれたこともあり、多くのファンが「聖地巡礼」に訪れている。休業中も遠方からもファンが度々訪れ、その度に店内を案内していた初代・谷口華璽さんの長男・忠男さんが「ファンのためにも何とか早く復活させたい」と運営会社「千年王国文化研究所」を立ち上げ、鈴木さんは料理長として、弟子として迎えた平野智大さんと共に厨房に立つことが決まった。
店舗の客席部分は約10坪で、カウンター6席、テーブル席12席を用意。水木作品に描かれた当時の雰囲気を残し、大幅リニューアルを実施。壁クロスは改装前と同様の中華デザインクロスを特注。看板も以前と同様のものを制作した。床は約50年前の創業時のまま。
料理は人気メニューを選んで提供する。創業以来変わらない味の「特製ラーメン」(1,000円)、「特製味噌(みそ)ラーメン」「タンメン」「もやしそば」(以上1,200円)、「特製餃子(ギョーザ)」(5個、500円)。ドリンクは「ビール(缶350ミリリットル)」(500円)。当面の間、麺類は1日50食限定で、完売次第、営業を終了する。今後は、米を使ったご飯物の復活やデリバリーの再開も計画している。
谷口さんは「1年間お待たせしたお客さまに来ていただきたい。地元・調布の方に足しげく通っていただけるような、町の中華屋さんとしてやっていきたい」と話す。「水木さんの命日に合わせて開催される『ゲゲゲ忌スタンプラリー』にも今年は参加予定なので、ぜひ立ち寄っていただければ」とも。
営業時間は11時~20時(完売次第営業終了)。月曜・火曜定休。