
府中の夏の風物詩「すもも祭」が7月20日、大國魂(おおくにたま)神社(府中市宮町3、TEL 042-362-2130)で斎行される。「からす団扇(うちわ)」と「からす扇子」の頒布は19日も行う。
「古語拾遺(こごしゅうい)」の神話に由来する「からす扇」と「からす団扇」
平安時代中期に源頼義と長男・義家が奥州安倍氏平定(前九年の役)の戦勝祈願に立ち寄り、勝利したお礼参りでスモモを供えたことを起源とする同祭。境内に「すもも市」が立つようになり、今では近隣から7万人が訪れる大きな祭りに発展した。スモモは古来より邪気を払う果物として親しまれている。20日は、縁起物のスモモを売る露店が参道に並び、スモモ以外にも約120店が軒を連ね祭りににぎわいを添える。
同神社は祭り限定で、五穀豊穣(ほうじょう)・悪疫防除(あくえきぼうじょ)・厄よけの信仰を持つ「からす団扇」と「からす扇子」を頒布する。祭事は毎年7月20日に神職が斎行するが、同品の頒布はコロナ禍後から複数日に渡すようになり、今年は19日・20日。うちわや扇子には害虫駆除や病人平癒の御利益があり、玄関先に飾ると魔を払い幸福が訪れるといわれる。
初穂料は、からす団扇=800円、からす扇子=小2,000円、大3,000円、特製からす扇子=5,000円。頒布時間は、19日=9時~17時、20日=6時~21時。郵送希望者は専用サイトから申し込む。
両日、神楽殿で無形文化財指定の「江戸の里神楽」が奉納される。同神楽は古事記や日本書紀の神話を無言劇の形態で行う神事で、東京都や周辺地域で伝承されている。