
西調布にある老舗銭湯「鶴の湯」(調布市下石原1、TEL 042-482-3017)が7月29日、73年の歴史に幕を閉じる。
昭和期には調布市内に30軒近くあった銭湯も、現在はわずか4軒のみ。1952(昭和27)年の創業から73年続く同銭湯は現在、5代目となる宇佐美さん夫婦が切り盛りし、創業以来毎日まきで沸かす市内で唯一の「まきたき」銭湯。
井戸水を沸かした低温のラドン湯が名物で、都内では珍しいラドン発生装置を使う。温度が低く、湿度の高い湿式のラドンサウナは、刺激の少ないオートロウリュのスチームサウナで、サウナが無料で利用できるのも同店の売りの一つ。
閉店について、「設備の老朽化により風呂釜から湯が漏れるなど、営業の継続が困難になったため」と宇佐美さん。創業当時から建て替えや改修などを経ながらも、風情ある煙突の外観が銭湯文化の面影を残し、昔ながらの造りで、高い天井や広々とした浴室など「レトロな雰囲気が楽しめる町の銭湯」と遠方から銭湯マニアも数多く訪れ、長年交流の場としても地元の常連客に愛されてきた。
宇佐美さんは「長い間、地域の皆さまをはじめ多くのお客さまに支えていただき、感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
営業時間は15時~23時。水曜定休。料金は、大人=550円、小学生=220円、6歳未満=100円。