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調布市が家庭の廃食用油回収 航空燃料SAFなどに再利用

家庭用廃食用油の回収を始めた調布市、集めた油は主にSAFにリサイクル

家庭用廃食用油の回収を始めた調布市、集めた油は主にSAFにリサイクル

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 調布市が現在、家庭で出る廃食用油を回収し、リサイクルする活動を行っている。

持参した使用済み油をバケツに移す様子、西部地域福祉センターで

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 同市が委託した業者が家庭の廃食用油の回収を7月に始め、集めた油は主に「持続可能な航空燃料(SAF=サフ)」へリサイクルされる。飲食店などからの廃食用油は約9割が回収されているが、家庭で使われた油の多くは廃棄されているのが現状。「2050年ゼロカーボンシティ調布」を掲げる同市は、市民参加を促し脱炭素・資源循環への意識を高める狙い。

 SAFは揚げ油などの廃食用油や植物などの非化石燃料を原料とする。従来の石油由来燃料と比べ、製造から使用までに排出される二酸化炭素(CO2)を大幅に削減できるとされ、航空業界の脱炭素化に向けた「切り札」と位置付けられている。

 回収対象はサラダ油、ごま油、オリーブ油などの食用油で、固めた油は対象外。回収は月1回、市内各地域福祉センターに市民が持ち込む形で行う。不要になった油を容器に入れて持参し、回収容器に移す仕組みで、市は年間3.5トンの回収を目標とする。

 8月23日には西部地域福祉センター(上石原2)で、市民が容器に入れた油を持ち込む姿が見られた。市は、回収時の立ち会いや受付業務を調布市シルバー人材センターに委託している。

 回収は毎月第4土曜日の9時~11時30分。深大寺地域福祉センターは改修工事のため、12月から回収を始める予定。このほか、市内ではイトーヨーカドー国領店とキッチンコート西調布店の店頭でも廃食用油の回収が行われている。

 市資源循環推進課の担当者は「家庭で不要になった油を捨てずにリサイクルする環境に優しい取り組みを、まずは広く知ってほしい。事業はまだ始まったばかりだが、今後は回収頻度を増やすことも検討していきたい」と話す。

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