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府中市美術館で「長沢蘆雪」展 子犬や無量寺の虎など、東京で64年ぶり

長沢蘆雪「菊花子犬図」個人蔵 前期・後期展示

長沢蘆雪「菊花子犬図」個人蔵 前期・後期展示

 府中市美術館(府中市浅間町1、ハローダイヤル050-5541-8600)で3月14日、企画展「春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪(ろせつ)」が始まる。

長沢蘆雪「虎図襖(部分)」無量寺・串本応挙芦雪館、重要文化財 後期展示

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 同館は2005(平成17)年から春に江戸絵画の展覧会を開催し、円山応挙(おうきょ)、曾我蕭白(しょうはく)、伊藤若冲(じゃくちゅう)などの作品をユニークな切り口で紹介してきた。公園内に立地する環境に合わせ「春の江戸絵画まつり」と呼ぶ同シリーズは、今回で幕を下ろすことになった。締めくくりとして、東京での開催が64年ぶりとなる長沢蘆雪を取り上げる。

 蘆雪は江戸中期に丹波国笹山(現在の兵庫県丹波篠山市)で生まれ、円山応挙に師事した。応挙が「写生派の祖」といわれるのに対し、蘆雪は大胆な構図や筆致を用いる「奇想の絵師」とされた。

 同展の見どころは、前期(4月12日まで)が「子犬の絵の歴史と蘆雪」、後期(4月14日~5月10日)が「無量寺の竜と虎を考える」。前期では、俵屋宗達や円山応挙の作品と共に、蘆雪が描いた子犬作品を数多く紹介する。学芸員の金子信久さんは「蘆雪の子犬画には、21世紀のキーワードである『かわいい』を感じる」と話す。「命を慈しむ仏教や禅の思想に基づき描かれた、愛くるしい子犬画を、おなかいっぱい楽しんでほしい」とも。

 後期の注目作品は、無量寺(和歌山県串本町)のふすまに描かれた「虎図」と「竜図」。1707年の大津波により移転再建した同寺に、蘆雪が師である応挙の障壁画を届けた。その際、蘆雪自身も多くの作品を描き残し、その中でも傑作との呼び名が高い。蘆雪が追究した「雲を呼び雨を降らせる竜」のうちの一作で、画面から飛び出すような迫力がある。金子さんは「蘆雪の虎キャラクターをもっと深く、面白く楽しんでもらう展示を試みる」と話す。

 金子さんによる展覧会講座「長沢蘆雪と春の江戸絵画まつり」を5月3日14時~、府中市生涯学習センター(同館から徒歩5分)で開く。無料、予約不要。会期中、展覧会を見ながらクイズに挑戦する子ども向けイベント「ろせつ探検隊!」も行う(年齢制限なし)。

 開館時間は10時~17時(最終入館は16時30分)。会期中は月曜休館(5月4日は開館)。観覧料(コレクション展を含む)は、一般=800円、高校生・大学生=400円、小学生・中学生=200円、未就学児と「府中っ子学びのパスポート」利用者は無料。観覧券に2度目半額の割引券が付く(同展1回限り有効)。

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