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調布飛行場の歴史がわかる遺跡展示-旧日本軍や米軍駐留時の生活用品なども

下原(しもはら)・富士見町遺跡の発掘風景

下原(しもはら)・富士見町遺跡の発掘風景

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 調布市郷土博物館(調布市小島町3、TEL042-481-7656)で現在、企画展「下原(しもはら)・富士見町遺跡の調査」が開催されている。

軍用品とともに出土した米軍のティーカップ・セットや皿など(関連画像)

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 明治大学付属明治高等学校・中学校は2008年に千代田区神田から調布市富士見町に移転。建設に先立ち「明治大学校地内遺跡調査団」は2004年~2007年に同地の発掘調査を行い、掩体壕(えんたいごう)、待避壕(ごう)などの遺構や遺物を発掘。この調査報告書の刊行を機に、同企画展の開催となった。

 過去から順を追って展示されており、「調布飛行場以前-近世~近代の武蔵野の農村」「調布飛行場の建設-地図から消えた新田の村」では、江戸時代から1938(昭和13)年飛行場建設土地収用、1941(昭和16)年の完成と日米開戦までを展示。その後の、1944(昭和19年)サイパン島空襲以後の関東地区の防空強化や、終戦後の米軍の飛行場接収、戦後の土地利用の変遷などを解説している。

 展示物は、出土した旧日本軍の戦前から戦中にかけての瓶類や、ポマードの瓶、旧日本陸軍三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のジュラルミンパネルや航空機関連の部品など。米軍の軍用品と共に出土した、米軍の生活の一端を知ることができるティーカップ・セットや皿などの洋食器、1944年、1945年に製造されたコカコーラの瓶など。比較展示として、下布田遺跡の旧日本軍高射砲隊陣地ゴミ穴から出土した軍用食器や歯ブラシ、電池、ガラス瓶などの戦争遺物も展示する。

 同館学芸員の金井さんは「調布飛行場関連軍事施設跡で、同じ場所から近現代の遺物が同時に出土した例は興味深い。戦中戦後の調布飛行場のありさまを垣間見てほしい。高射砲隊陣地と調布飛行場の出土品を比較してみるのも面白い」と話す。

 開館時間は9時~16時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場無料。12月4日まで。

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