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調布の老舗いり豆店が節分準備に大忙し 昼夜漂う大豆をいる香り

節分に向けて煎り機をフル稼働させ大豆の煎り作業に追われる玉川屋煎豆店

節分に向けて煎り機をフル稼働させ大豆の煎り作業に追われる玉川屋煎豆店

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 調布の旧甲州街道沿いにある「玉川屋煎豆店」(調布市布田2、TEL 042-482-3839)が現在、節分の豆まき大豆の準備に追われている。

「玉川屋煎豆店」外観の様子

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 1958(昭和33)年創業の同店は都内でも少なくなったいり豆専門店。30年ほど前は三多摩地区に25軒ほどあったいり豆店だが、今は同店1軒になったという。深大寺や布多天神など、市内の神社・寺院からいり大豆の注文を受ける節分準備の時期は、朝から晩まで大豆をいるため店内には大豆の香りが満ちている。

 豆まき用の大豆は、北海道音更(おとふけ)産の「大袖振大豆」を使用。晴天が多く寒暖差もある同地区は豆の産地として有名だが、今年は昨年夏の台風の影響による不作で、同店も仕入れが難しかったという。7~8時間水に浸して戻した同大豆を、翌日、店内にあるいり機にかけ70~80度でいる。店主の小林さんが、焦がさないよう時々上下を返し40~50分かけていり上がったものを、大きなザルに広げ乾燥させれば出来上がる。長年同大豆にこだわり仕入れ続けているのは、他の大豆より甘みが強く香りが良いからだという。

 いり大豆(100グラム=320円)、落花生(160グラム=1,080円)のほか、大豆やえんどう豆などの乾燥豆を合わせ常時30種類以上の豆をそろえる同店。創業当時と比べ、レンズ豆やひよこ豆、ガルバンゾーなど料理の変化に伴い少しずつ購入客が増えている豆もあるが、乾燥豆を使って料理する家庭の減少により店頭に並ぶ豆の種類は減っているという。

 小林さんは「最近は幼稚園などで季節行事として豆まきが行われるが、節分の日には、各家庭でも昔の慣習を忘れずに『鬼は外、福は内』と家族で豆まきを楽しみ、いり豆を食べてほしい。今は新豆のおいしい時期。少し時間はかかるが、『畑の肉』と呼ばれる大豆を家庭でも戻しておいしい煮豆やスープを作り、いつもの食卓でもっと豆料理を楽しんでもらえれば」と話す。

 営業時間は9時30分~19時。日曜定休。

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