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みん経トピックス

特集

インタビュー2014-11-28

シリーズ【調布の老舗探訪】Vol.3
『スターも愛したうなぎの味』
-割烹・うなぎ 竹乃家 女将 竹下スミ子さん

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 本インタビューは調布の地域に根ざし、商いをしている老舗にスポットをあて、紹介していく特集の第3回。今回は、調布の地で73年に渡り料亭を営み、受け継ぐ、竹乃家二代目の女将(おかみ)、竹下スミ子さんに竹乃家の歴史とこだわり・女将としての思いについて聞いた。

竹下さん 店舗前

■父の料理好きから始まったのが「竹乃家」

-うなぎが名物という竹乃家さんですが、昔からうなぎが中心のお店だったのでしょうか。お店の歴史をお教えください。

 竹乃家は多摩川沿いという立地から、川魚料理・焼き鳥をご提供する一般的な料理屋だったと聞いています。当時の多摩川はうなぎやアユなどの川魚が豊富で、野鳥も捕れたそうです。大映や日活の撮影所を中心に活気があり、この辺り(多摩川地域)は「映画村」と呼ばれていました。当店の周り(調布市多摩川地域)も、同じような料理屋さんが軒を連ね、にぎわっていました。以前、「昔は多摩川で釣れたウナギを竹乃家さんに買ってもらっていたのが懐かしいよ」と古くからのお客さまからお聞きしたことがあります。
 竹乃家は1941(昭和16)年、先代の竹下竹男が始め私で2代目。今年で創業73年目を迎えました。もともと父は大映撮影所出入の運転手で映画関係者の送迎をしていました。それが突然、料理屋になったのは単純に父の料理好きという趣味が高じてのことだったようです。初めは、なじみのあった撮影所へ連日仕出し弁当を届けたそうで、献立を考えるのにとても苦労したのだそうです。当時の幕の内弁当のお弁当箱は今も大切にとってあります。それから、少しずつ形と規模を変え、割烹料理・会席料理が中心のお店となっていきました。
 映画関係や会社の商談・接待など、宴席で使っていただくことが多かった時代でした。石原裕次郎さんはじめ、数多くの映画スターの方々も、公私問わず足を運んでくださいました。
 お客さまから当時のことを聞くと、「懐石料理って敷居の高いイメージがあってなかなか入りにくく感じていたの」と言われることがあります。敷居の高いお店のつもりは無かったのですが、そのように感じられていたそうなのです。

和室

■「ランチ、始めました!」

-その後お店のイメージが変わるような出来事があったのでしょうか。

 私の代になったのが1981(昭和56)年ころ、先代から一つ大きく変えたことがあります。
 それは「ランチ営業」を始めたことです。もっと当店のうなぎの味を気軽に楽しんでいただけるよう、うな重をメーンメニューに昼の営業を始めました。会席の中で、うなぎのかば焼きをお酒の肴(さかな)の定番メニューとしてお出ししていたのですが、「せっかくのかば焼きをご飯にのせて提供しないともったいない」と思ったことがきっかけでした。ご飯はかば焼きのおいしさを一層引き立ててくれます。そもそも私自身が「うなぎ・たれ・ご飯」という組み合わせが大好きで、うな重ならお酒を飲まない女性でも食事として楽しめると思っていました。今では、会席の中にも小さめのうな重を出すようになりました。
 おかげさまで、女性のお客さまや友達同士、ご家族連れなど、多くのお客さまに当店のうなぎの味を味わっていただけるようになり、ありがたい限りです。

うな重

■竹乃家の伝統『秘伝のたれ』

-竹乃家さんで、変わらずに引き継いでいらっしゃることはありますか。

 開店当時から甕(かめ)につぎ足し引き継いでいる竹乃家『秘伝のたれ』です。
 先代がレシピと配合を考え、それを変えずに70年以上、熟成を続けています。これはほかのお店では決して味わえない当店の70年の歴史とウナギのエキスが凝縮した甘口のたれとなっています。
 「うなぎが苦手で…」というお客さまには、たれをかけたご飯を召し上がっていただくこともあります。それがきっかけとなってうなぎを好きになられる方もいて、気に入っていただいています。今は、愛知県一色町で養殖されたウナギを使っています。
 また、焼き方にもこだわっています。先代から継承した焼き方と大谷石の専用焼台・備長炭でじっくりとやわらかく焼き上げています。
 「炭火焼きのいい香りがするねえ」と気付いてくださるお客さまもいらっしゃるので、気付いていただけたときにはうれしい気持ちになります。

■『おばあちゃんち』のような空間でほっと一息

-その他にもお店として大切にしていらっしゃることはありますか。

 昔ながらの古い日本建築の建物を大事にしています。
 もともと一つ一つ離れの造りだったので、お部屋が独立した造りで6つの個室があります。最近ではテーブルでお座りいただけるお部屋もご用意し、落ち着いてお食事いただけるように準備しております。
 若い方のご家族連れがいらっしゃると、
「おばあちゃんちに帰ってきたみたいでホッとする」
「旅館に来たみたいだね」
とリラックスしてお過ごしいただいています。
 一番大きな宴会場では最大100人が収容可能で、これからの忘年会シーズンなどでも活用していただいています。

和洋個室

宴会場 最大100人を収容できる宴会場

-竹乃家さんのこれからの抱負を教えてください。

 ニホンウナギの保護規制などで、これからのうなぎをめぐる食文化がどのようになってゆくのか不安ではありますが、先代から引き継いだこの味を絶やさぬよう、お客さまに喜んでいただける料理をご提供して参りたいと思っています。
 さまざまなお客さまに支えられ日々営業できることに心より感謝しております。

初代から引き継ぐ木の看板

 初代店主竹下竹夫さんから引き継がれる看板。
 長年の風雨で店名が消えてしまったのだそう。

竹乃家外観

■次回の探訪は調布の老舗酒屋「桐屋酒店」!

-最後に、次回のインタビュー先となる「調布の老舗」をご紹介ください。

 昔からお酒や飲料を仕入れさせていただいている、調布市飛田給の「桐屋酒店」さんをご紹介します。
 当店の秘伝のたれの材料も桐屋酒店さんから仕入れさせていただいています。

【割烹・うなぎ 竹乃家】
1941(昭和16)年創業。多摩川に臨んだ粋な日本建築の座敷が特徴。
慶事・法事・商談、忘・新年会、または個人やご家族・ご友人でのお食事など気軽な割烹・うなぎの店として古くから地域に親しまれている。

住所:〒182-0025東京都調布市多摩川5-31-1
電話番号:042-482-2411
営業時間:ランチ営業 11時30分~14時
       夜営業   17時~22時

割烹・うなぎ 竹乃家ホームページ

■竹下スミ子さんプロフィール
 割烹・うなぎ 竹乃家 二代目 女将
調布市多摩川在住。
若いころから竹乃家で下働きをし、先代の跡継ぎとして店を切り盛りし代々の味を守っている。

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 連日買い物客でにぎわう「トリエ京王調布」C館1階に9月29日、ラーメン店「鶏蕎麦十番 ICHIKORO(とりそばじゅうばんいちころ)」(調布市小島町2、TEL 042-444-1561)がオープンした。写真は、カフェスタイルのラーメン店、おしゃれな空間「鶏蕎麦十番 ICHIKORO」
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