調布・深大寺でホタル自然繁殖-環境改善活動実る、市民ら喜び

深大寺の湧水水源池あたりで観賞できる、自然繁殖したゲンジボタル

深大寺の湧水水源池あたりで観賞できる、自然繁殖したゲンジボタル

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 調布・深大寺がゲンジボタルの自然繁殖に成功し、現在観賞に訪れる近隣市民の目を楽しませている。

ホタルの成育に悪影響を及ぼすため、街路灯をオレンジ色のフィルムで覆う

 自然繁殖で育ったホタルが確認されたのは、深大寺の西側にある深沙大王堂裏の湧水水源池あたり。深大寺近隣は江戸時代にはホタルの名所として知られていたが、近年は水質の悪化など環境の変化により見ることができなくなっていたところ、ホタルの再生を望む市民らが2006年から環境改善の取り組みを開始した。

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 自然繁殖に至るまでの道のりは長かった。活動を始めるにあたり「板橋区ホタル飼育施設」で施設長を務める阿部宣男さんが実施した水質調査では、残留農薬と病原性細菌の存在が判明、現状のままでは「ホタルの再生は不可能に近い」という結果が出た。そこで、土壌改質剤の投入など根気よく活動を続けた結果、ホタルの幼虫の餌となるカワニナが繁殖できる状態にまで水質が改善。2009年には約3万匹のホタルのふ化幼虫を放流、2010年にはコケを植えるなど、ホタルが陸に上がれるよう水際を整備した。

 2011年にホタルの幼虫の放流を停止したところ、2012年には初めて自然繁殖したホタルを確認。より良い環境を整えるため、今年4月には、幼虫の上陸や産卵行動に悪影響を及ぼすという人工照明の対応を実施。同市にある照明設備会社「アークシステム」が協力し、繁殖地近くの街路灯やそば店のライトをホタルに影響の少ないオレンジ色のフィルムで覆った。現在、少なくとも10匹程度が飛んでいるのが確認されている。

 活動を続ける市民は「ここまで活動を続けられたのも阿部先生や深大寺の張堂ご住職、相川さんを始め、地域の皆さまのおかげ。今後も自然繁殖をさせていくためには、照明や水量、苔、土などの継続的な改善がまだまだ必要。今後、もっとたくさん飛んで、たくさんの方々を癒やしてくれるように、温かく見守っていただきたい」と話す。同ホタルは「6月中旬ごろまで観賞できるはず」という。

 調布では同市の野草園(深大寺南町1)でもホタルを観賞できる。毎年人気の「ホタル鑑賞会」は、6月1日から3日まで。開催時間は19時30分~21時。詳しくはホームページで確認できる。

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