ポラリス(調布市仙川町1)は9月6日、調布・国領に新しい働き方を創出するコワーキングスペース「Loco-working Space“cococi”(ロコワーキングスペースココチ、略称:ロココチ)」(国領町2)をオープンした。
子ども連れで説明会に参加した小野寺恵美さん。プリザーブブドフラワー、アートフラワーで事業を始めたいと意欲的
暮らし方や働き方を自由に選べる社会の実現を理念に、利益を社会的事業に再投資する「非営利型株式会社」という法人スタイルで事業を展開する同社。2011年8月に仙川で「“cococi”Coworking Space」を開設。同スペースには独立事業主がシェアオフィスとして入居し、情報や意見を交わし、学び合い、協働して新しい事業を創出する。また、インターネットを活用し場所と時間を選ばない「コラボワーク」で事務仕事を請け負う「セタガヤ庶務部」を立ち上げ、現在約100人が登録する。育児中の人などを中心に、働く意欲はあっても労働環境が整わず働く機会の少ない人たちの期待が集まり、メディアに取り上げられるなど注目されている。
同社の第2拠点となる「ロココチ」は、今年創立100年を迎える林建設(小島町2)との協働で誕生した。林建設は同社が管理する不動産物件を提供。企画・運営をポラリスが行う。スペースはマンション1階にあり、58.32平方メートル。事務室のほかフローリング2室と畳敷き1室に家庭用キッチンがあり、インターネット環境が整っている。
利用は会員制。ロココチを拠点として独立して事業を行う事業者向け会員「BabyStep(s)」に登録するか、利用会員「Locococi会員」(以上、年間3,000円)となって地域仕事「ロコワーキング」にエントリーしたり、スペースを利用したりできる。ドロップイン(立ち寄り)利用のほか、机貸しや室内に設けたセレクトショップコーナーへの出店などで事業チャレンジができる。
より地域に根差した事業創出に力を入れるための「ロコワーキング」メニューとして、子育て家庭向け「お引っ越し下見サービス」(引っ越しエリアの選定のためのエリア情報提供や物件下見代行)、「空き家・空き室巡回サービス」(通風・通水・庭の水やり・清掃等)、「Loco PR部」(子育て目線、生活者の視点での取材・記事制作、マップ制作やイベント企画運営など)を行うほか、調布で事業を行う人たちとロココチに集う人たちとの「Loco-worker×まちのお仕事 アイデアトーク」と名付けた事業ブラッシュアップの場づくりを行う予定。9月20日まではオープニングイベント期間とし、正式登録しなくても利用できる。
ポラリス社長の市川望美さんは「暮らしを犠牲にせず、働く時間をつくるには、住まいの近くにそれを実践し、チャレンジする場が必要。調布の人たちは、緑豊かで都心に近いという暮らしの豊かさを選択した人たちと言える。そのバランス感覚でつくり出す新しい働き方を『調布系ワークスタイル』として発信したい」と話す。