海外向けネット通販で中古車を輸出している調布の会社「ビィ・フォアード」(調布市布田4、TEL 042-440-3445)の山川博功社長が昨年12月16日に出版した著書「アフリカで超人気の日本企業」(東洋経済新報社)が話題を呼んでいる。
ビィ・フォアード・山川博功社長の著書「グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業」「アフリカで超人気の日本企業」
同社は2004年に中古車輸出企業として創業し、10年で年商約500億円に急成長、現在では、国内のEC(電子商取引)サイト売上高で上位にランキングされる。業者間取引が主流の中古車売買の業界において、世界中のエンドユーザーが直接買うことができるというビジネスモデルを構築、基幹物流までも独自に整備し、月間6000万ページビュー、1万5000台を世界124カ国に輸出している。特にアフリカではトヨタよりも有名な日本企業と言われるほど絶大な支持を得ており、調布本社約200人の従業員の3割は外国人、国籍は28カ国、30言語に対応していながら、日本の家族的企業経営を実践しているというグローバル企業。
昨年11月に初めての著書「グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業」(講談社+α新書)を出版。自動車販売と師匠との出会い、新車から中古車への転身、中古車販売会社から中古車輸出のEC(電子商取引)サイト運営会社への変遷、アフリカ市場への進出など、リーマンショック・東日本大震災・チャイナショックといった社会背景の中、数々の失敗を乗り越え、グローバル企業に成長したサクセスストーリー。アフリカ各国のサイト検索ランキングで上位にいる無名の日本企業は何者かと、グーグル本社の副社長が話を聞きに来たという。
2冊目となる「アフリカで超人気の日本企業」では、アフリカでの成功のヒントを数多く紹介している。アフリカ人は人と人とのつながりを大切にするため、口コミが絶大な影響力を持ち、無名であっても、日本の品質とサービスがあるからファンがつく。部族、宗教、文化、商習慣の違いを認識し、現地のことは現地に任せる。現地に雇用を生むビジネスが必要であるなど、資本主義最後のフロンティアと言われる同地でビジネスを行う上での成功の法則をつまびらかにし、一緒にアフリカを目指そうと呼びか掛ける。
「まずは試してみる」という山川社長の一貫した流儀から、偶然進出することとなったアフリカ市場。そこから日本人ならではの愚直なサービスでブランドを確実にした。この成功をもとに、日本発の優れた商品を世界に広めていく「日本発世界一のECサイト」となり、「100年企業」になることが山川社長の夢だという。