調布市染地の多摩川住宅に6月7日、音楽教室併設のカフェ「箱(はこ)」(調布市染地3、TEL 042-483-5188)がオープンした。
音楽教室と喫茶「箱」店主の野崎理人さん(左)とエマさん(右)
ギター、ウクレレ講師の野崎理人(りひと)さんが9年前にピアノ教室とギャラリーを併設していた「箱」の営業を引き継ぎ、ピアノ、ギター、アコーディオン、サックス、ボイスパーカッションなど10種類以上の楽器を教える音楽教室として運営する同店。
これまでに、多摩川住宅の祭り実行委員、自治会、マンションの理事など、地域の活動に携わってきたという野崎さんは「近隣に休憩する場所がない。飲食したり集ったりする場所がないという声を耳にし、教室が入る棟が老朽化による建て替えのため、3年間の仮店舗に移動する機会に喫茶スペースの併設を決めた」と話す。
喫茶スペースは約14坪。席数は12席。「自分たちが思う通りの空間にしたい」と、内装はDIYで仕上げた。野崎さんは「コンセプトを考える際に最初に取り組んだのが植物の配置。アニメ『風の谷のナウシカ』に出てくる地下室をイメージし、植物を配置する水路を試行錯誤しながら設置した」と話す。水が流れる音で癒やしを演出する。テーブルは床板材で製作し、壁のしっくいやペンキ塗りなどは音楽教室に通う生徒や講師、近隣住民や知人などが手伝い、完成に4カ月掛けたという。
コーヒーは、「喫茶店の味」と考える苦みのある深いり豆を探し求めたといい、京都の「小川珈琲」の豆を使う。ハンドドリップで入れる「ホットコーヒー」「水出しアイスコーヒー」(以上350円)のほか、「増田園」の「緑茶」(350円)、「ハートランドビール」(小瓶=600円)、無農薬栽培の梅とてんさい糖を使った「うめ酒」(500円)なども用意する。
理人さんの妻のエマさんが手作りする「チーズケーキ」(400円)は、カラメルソースと粗びきコショウを添え、コーヒーにも酒にも合うよう甘みを抑えた自信作という。ランチタイムには「カレー」(650円)を提供し、メニューは今後増やす予定という。
野崎さんは「2カ月の工事予定が大幅に遅れてしまったが、多くの人の思いが詰まった店となった。今後は音楽ライブやワークショップなども行っていき、地域の方の憩いの空間にしたい」と意気込む。
営業時間は10時~17時。月曜・火曜定休。店内禁煙。