調布駅前にオープンしてから1年が経過した映画館「シアタス調布」が、スクリーン数日本一を誇るイオンシネマの中で数々の記録を達成している。
同館は今年の話題作の一つ「グレーテスト・ショーマン」を日本で一番長く上映。通常、封切り作品は4週間~10週間程度であるのに対し、同館では35週間のロングラン上映を行った。観客動員数3万人を記録し、イオンシネマグループでも2位を引き離し1位となった。現在上映中の「ボヘミアン・ラプソディ」は3週間で動員数1万人を達成。これもグループ内で1位を記録している。同じく今年封切りした「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」も公開初週はグループトップ、故・樹木希林さんが出演した「日日是好日」では2位の動員数だった。
調布でこうした記録を達成している理由について、同館の支配人・羽藤さんは「グループの他館は主にファミリー層が多いのに比べ、調布は40代以上の中高年層の観客が多い傾向にある。しかもシニア層に好まれるような邦画だけでなく、『カメラを止めるな!』などの話題性のある流行の作品や『ハン・ソロ/スターウォーズストーリー』などの人気シリーズ作品も、封切り直後に来館する、敏感な方が多い。『映画のまち調布』だけに映画関係者が近隣に多く在住在勤していることも影響していると思う」と話す。
「『シアタス調布は音が良い』というコメントもSNSなどで見られ、2度3度と見たくなる音楽系の作品などは、『次は調布で見よう』と遠くから足を運んでくれるお客さまも多くいる」とも。
映画好きの観客が多いと思われる傾向は他の上映作品にも反映され、全国的に吹き替え版が支持される傾向にあった「プーと大人になった僕」や封切り直後の「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」などは調布では、一般的に映画好きが好むとされる字幕版が中心。字幕版の方が人気のある映画館はグループの中でも珍しいという。シニア層が多く、車での来場者が比較的少ないという傾向を受け、館内販売のアルコールも充実させている。
そのほか、座席のインターネット予約の割合が同グループで一番高いことも特徴で、有人窓口を利用する来館者は全体の20%以下。自動券売機の利用も含めると80%以上の来館者がネットでチケットを購入している。
羽藤支配人は「現在、映画を見る手段は多様化している。公開後3カ月たてばレンタルもできるし、公開と同時にネット配信される作品もある。しかし、映画館で見る映画は見た後の感動が違うと思う。映画を映画館で見る素晴らしさを『映画のまち調布』の市民の皆さんにはぜひ感じていただきたい。まだ来館されたことのない方はぜひ一度足を運んでほしい」と話す。
調布経済新聞によるアンケートでは、シアタス調布での鑑賞回数は「2~3回」が27.7%、「4回以上」が33.1%と、複数回鑑賞した人が全体の6割以上いる一方、「一度も観ていない」が28.8%となった(12月7日時点)
アンケートは12/17まで。