調布リトルリーグが、米ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開催された「2019 LITTLE LEAGUE BASEBALL WORLD SERIES(リトルリーグベースボール ワールドシリーズ)」で世界3位となった。
調布リーグをサプライズ激励したカブス・ダルビッシュ有投手と調布リトルナイン
リトルリーグ発祥の地で8月15日に開幕した同大会。全米8チームと日本を含むインターナショナル各国8チームが、トーナメント方式で争った。日本代表として出場した調布リーグは、初戦イタリアに20-0で大勝し、続くメキシコを5-0、準決勝ではライバル韓国を7-2で破る快進撃で、インターナショナルブロック決勝まで駒を進めた。決勝は24日、カリビアン代表のキュラソーと戦い、4-5で惜敗。頂点を決める米ブロック代表との決勝戦には挑めなかったが、気持ちを切り替え臨んだ3位決定戦では、ハワイに5-0と完封勝利した。
調布リーグ・山下孝次監督は「全日本優勝から良い調子のまま、世界大会に挑めた。ピッチャー4人がローテーションを崩さず、しっかり投げられたことが大きかった。5試合で41得点と、打線も好調だった。キュラソー戦は最後まで追い上げたが一歩届かず、正直、負けたことは悔しいが、韓国戦に照準を合わせ、目標だったベスト4は達成できた」と、戦いを振り返る。監督自身2度目の挑戦となった今大会は、「3年前の経験を生かし余裕があった」と言う。
シカゴ・カブス、ダルビッシュ有投手との交流や、敗戦後、号泣しつつもキュラソーの選手をたたえハグした選手の姿は、現地メディアやネットニュースで話題となった。そのほか、「カブス対パイレーツの大リーグ観戦、ランディ・ジョンソン投手との交流や、日本プロ野球界でも活躍したトーマス・オマリー選手との昼食など、思い出は尽きない。選手たちには夢のような19日間だったはず」と、山下監督。
人口3万人弱の町を挙げたリトルリーグの祭典。試合はテレビ中継され、エンターテインメント性も高い。選手たちはスターとして迎えられ、歓迎のパレードを経験。約3万人の大観衆の中で試合をして、観客からサイン攻めにも合った。「聖地でのお祭りは、何より野球を楽しむことを教えてくれる。子どもたちは勝負からだけでなく、仲間との共同生活、海外の選手や現地のボランティア、町の人々との交流など、あらゆる体験から成長してますます野球が好きになっただろう」とも。
主将・小針大輝選手(中1)は「世界の舞台で、日本とは違う球筋のピッチャーと対戦できたことは、とてもいい経験になった。プレーでは、初めて先制された韓国戦での第1打席、逆転タイムリーを打ったことがうれしかった」。三崎悠人選手(同)は「卓球など他国の選手との交流がとても楽しかった。ピッチャーとして良いピッチングができたので、チームにも貢献できた」。西川立翼選手(同)は「学校で習った英語が通じてうれしかった。天然芝スタジアムでの試合は最高でした」と話す。
小針主将は「後輩にも、たくさん練習して、来年また世界の舞台に必ず行ってほしい」とエールを送る。日の丸を付け世界で戦った先輩は引退し新チームが始動。次こそは「世界一」を目標に、後輩たちは練習に励んでいる。