新型コロナウイルスの感染拡大に伴い3月28日から臨時閉園している都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)では、美しいヒスイカズラが開花し来園者を静かに待っている。
ダース・ベイダーの愛称で呼ばれる「アリストロキア・サルバドレンシス」
ヒスイカズラは青緑のヒスイ色の花を咲かせるマメ科のツル性植物で、フィリピンのルソン島やミンドロ島など限られた地域の熱帯雨林に自生し、野生では絶滅が危惧されている。花は10センチほどの勾玉(まがたま)形のものが、長さ1メートルほどの房状に連なり、フジのように垂れ下がって咲く。
同園では、大温室の熱帯花木室で壁に沿って栽培されている。現在5房のつぼみが成長し垂れ下がり、そのうち1房の花が上から咲き始めた。同園によると、開花期間は長くほかの房も順次成長するため、5月ころまで見られるという。担当者は「ヒスイカズラの花言葉が『私を忘れないで』なので、臨時閉園(4月12日までの予定)のあと再開したらぜひ見に来て」と話す。
同大温室ではほかに、映画「スター・ウォーズ」の登場人物ダース・ベイダーのマスクのように見える花「アリストロキア・サルバドレンシス」や、「モンキー・オーキッド」と呼ばれる猿の顔のように見えるラン「ドラクラ」などユニークな花も咲いている。特にドラクラは温度管理と湿度管理が難しく、20種近くも栽培している公開施設はない。
担当者は「しばらく皆さんに来ていただくことはできないが、公式ツイッターにヒスイカズラや珍しい花の写真を載せるので、きれいな花を見て和んでいただければ」と話す。「当園で発見された品種ジンダイアケボノなどサクラの開花風景もお届けする」とも。