調布の布多天神社(調布市調布ヶ丘1)で9月23日・25日、例大祭が行われる。
同祭は同神社の最も重要な祭祀(さいし)で、神様の神徳をたたえ、皇室の安泰、氏子や崇敬者の繁栄、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る。コロナ禍前は氏子が担いだ9基のみこしと太鼓や山車が旧甲州街道を渡御し、大勢の見物人でにぎわった。
今年は恒例のみこし渡御は行わず、神職が唐櫃(からひつ)で神酒所を巡る神幸式(しんこうしき)を行う。23日9時30分に御神霊(おみたま)を唐櫃に移し、10時から天神前地区、小島地区、上布田地区、下布田地区、上ケ給地区の順に進む。神職は各所をはらい清め、地域の安寧と繁栄を祈念する。一部では、御霊を神輿へ遷御する神事も行う。
同日は神楽殿で「神にぎわい神事」としてキッズダンス披露や琴、琵琶、ピアノとバイオリン、和太鼓、ジャズ、ギターの演奏が行われる。境内では、祭の露店やキッチンカーも出店(11時~19時)。
同神社の参道に当たる「天神通り商店街」では歩行者天国(13時~17時)を行い、「子どもたわら神輿(みこし)」が練り歩く。参加希望の子どもは保護者と同神社で申し込む(12時~、混雑時は制限あり)。商店会長の土田衛さんは「子どもの笑顔や元気な姿は、疲弊した世の中に活気を与えてくれる。今回、当会で『子どもたわら神輿』を作ったので、ぜひ参加してほしい。子どもたちが元気にみこしを担ぐ姿を楽しみにしている」と話す。
25日は、本殿で神職と氏子代表が古式にのっとった神事「大祭式」を斎行し、巫女(みこ)が舞を奉納する。神楽殿では、古事記や日本書紀の神話を演じる里神楽(さとかぐら)を齋藤社中が披露する(10時~夕方、数回)。18時からは、かがり火と祭ちょうちんが照らす中で「薪(たきぎ)夜神楽」も行う。
同神社・禰宜(ねぎ)の野澤晃司さんは「昨年は緊急事態宣言中で唐櫃巡行も控えたが、今年は令和2年以来の神幸式になる。氏子の健勝と繁栄、平和を願い神事を行う」と話す。「感染予防しながら、地域の皆さんや子どもたちに祭を楽しんでいただきたい」とも。