「世界で一番醜い花」といわれるショクダイオオコンニャクを育てている都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で10月3日、芋(塊茎=かいけい)の植え替え作業が行われた。
2015年に「ショクダイオオコンニャク」が開花した際の様子。写真左の職員(身長約170cm)から花の大きさがわかる
ショクダイオオコンニャクは、インドネシアのスマトラ島を原産とするサトイモ科コンニャク属の植物で別名「スマトラオオコンニャク」。世界最大級の花(花序)が巨大な燭台(しょくだい)のように見える。
国内で花が咲くのはまれで、開花期間も2日間と短い。虫媒花で肉が腐ったような臭いを放つのが特徴。巨大で異様な姿と腐敗臭の連想から、「お化けコンニャク」「死体花」とも呼ばれる。イギリスの王立園芸協会が2009(平成21)年に行った投票で「世界一醜い花」に選ばれている。
今回植え替えた芋の大きさは、直径46センチ、高さ36センチ、重さは25.7キロ。同園で育てている4株の中で一番大きく、2021年6月に開花したもの。花が倒れた後に葉芽が出て、成長して栄養を蓄えた。今年8月16日に葉が枯れて休眠し、9月29日に新しい芽が出た。
園芸係担当者によると、「とても立派な芋。この芽が花になるか葉になるか、もう少し成長しないとわからない」という。昨年の花を見た府中市の女性は「珍しい花なので、ぜひまた咲いてほしい。花でも、葉でも、順調に育つのを楽しみにしている」と話す。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。