健康に配慮しつつエネルギー消費を抑える断熱をテーマにしたセミナー「断熱で省エネ！体にも地球にもやさしい住まい」が2月26日、調布市の天台宗祇園寺（調布市佐須町3）で開催される。

断熱ボックスを使ってえねこやが出張授業をする様子

　自然エネルギーを使い地球に優しい暮らしを提案する一般社団法人「えねこや」（深大寺北町2）が主催する同セミナー。同団体は、断熱気密性能を向上することで、自然エネルギーだけでも快適かつ健康的に過ごすことができ、大幅な省エネも実現できることをさまざまな形で発信。一枚ガラスとペアガラスの温度差・壁の断熱材の有無による温度差を実感できる断熱ボックス体験や、断熱気密性能を向上させた電力自立小屋「移動式えねこや」で快適な住まい体験などを提供してきた。

　冬の健康リスクとして挙げられるヒートショックに加え、昨今のエネルギー価格の高騰から、「健康的かつ省エネな住まいに改修する方法を多くの人に知ってもらいたい」との思いで、テーマを断熱に絞った同セミナーを開催。講師に東北芸術工科大学教授で、昨年6月に改正された断熱性能を義務化する「改正建築物省エネ法」にも関わった建築家の竹内昌義さんを招き、「健康維持・温暖化対策としての断熱改修の必要性」についての講演を行う。

　会場の祇園寺は、深大寺と並び都内で浅草寺に次いで2番目に古いとされ、調布七福神の一つ福禄寿を祭る寺院でもあり、周辺には里山の風景が残る。「歴史、風土、原風景を残して未来に伝える地域のハブとして存在することが寺の役割の一つ」と林田堯瞬住職は言い、「自然との共生」を大切にした活動を行っている。昨年、思いを共にする「えねこや」と知り合い、コラボレーションを開始。大みそかから元旦にかけての年越しには、「えねこや」による再生可能エネルギーのイルミネーションで境内を照らした。今回は本堂でセミナーを開き、オンライン配信も用意する。

　セミナーでは講演のほか、内窓設置やDIYで断熱効果を高めた事例、太陽光発電を利用した住居の事例、助成金なども紹介するほか、断熱ボックスや移動式えねこやの快適さの体験も用意。えねこや理事の菅野千文さんは「法改正は新築住宅が対象だが、義務化の対象とならない既存住宅の断熱が鍵。現在住んでいる自分の家の断熱に関心を持つきっかけになれば」と話す。

　開催時間は13時30分～16時。要予約。