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調布で彫刻家・掛井五郎さんの画巻を展示 28メートルの大作「哀歌」ほか

掛井五郎さんの作品「哀歌」より一部 2008年

掛井五郎さんの作品「哀歌」より一部 2008年

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 日本各地でパブリックアート作品が展示されている彫刻家・掛井五郎さんの画巻(がかん)を紹介する「掛井五郎展『哀歌』」が現在、東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で開催されている。

掛井五郎さんの作品「哀歌」より一部 2008年

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 掛井さんは1930(昭和5)年静岡市生まれ。1949(昭和24)年彫刻家の木内克(よし)に出会い師事、東京芸術大学彫刻科に入学。1953(同28)年同大彫刻科卒業、1955(同30)年同大彫刻専攻科修了。その後、国内外の大学で教壇に立ちながら多数の彫刻作品を制作し受賞。2017(平成29)年「掛井五郎財団」を設立し、2021年11月22日 91歳で死去。

 作品はブロンズによる人物像が中心で、大胆なデフォルメが特徴。美術評論家(東京造形大学教授教)の藤井匡さんは「時にユーモラスでありながらも、見る者に『人間とは何か』を問いかける」と評す。

 同展では2008(平成20)年制作の画巻「哀歌」「ヨハネ黙示録」「ノアの箱舟」を中心に、同時期のデッサンや彫刻小品を展示。画巻はいずれも20メートルを超える長大なサイズで、これまでは部分的にしか展示されてこなかった。同展では約28メートルの「哀歌」全編を見ることができ、「作者が感情のほとばしりに任せるように一気呵成(いっきかせい)に描き上げたことが伝わってくる」よう展示したという(「ヨハネ黙示録」「ノアの箱舟」は部分展示)。藤井さんは「彼の彫刻作品にもよく登場する大胆なデフォルメによる人間の姿と、その間に書き記される言葉(物語)が一体となって見る者の胸に迫る」と紹介している。

 「哀歌」の主題はクリスチャンの掛井さんらしくキリスト教に由来しているが、藤井さんは「作品の意味はそこに限定されるものではなく、作者の主眼は人間という存在の本質を問うことにある」と言う。「その意味では、ロダンの受容に端を発して日本近代彫刻史のなかで形成されてきた『ヒューマニズムの系譜』に連なるといえる」とも。

 開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。月曜~水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小中学生=300円。3月26日まで。

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