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府中市美術館で作品展「吉田初三郎の世界」 鳥瞰図や絵画作品など

肉筆画「富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図」(部分)1928(昭和3)年 堺市博物館蔵

肉筆画「富士身延鉄道沿線名所鳥瞰図」(部分)1928(昭和3)年 堺市博物館蔵

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 大正から昭和にかけてオリジナルスタイルの鳥瞰(ちょうかん)図で人気を博した吉田初三郎(はつさぶろう)の作品展「Beautiful Japan 吉田初三郎の世界」が5月18日、府中市美術館(府中市浅間町1、TEL 050-5541-8600)で始まる。

ポスター「Beautiful Japan(駕籠に乗れる美人)」1930(昭和5)年 江戸東京博物館蔵

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 1884(明治17)年に京都で生まれ初三郎は、友禅図案絵師への奉公などを経て関西美術院の洋画家・鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう)に師事し商業美術の道に進む。1914(大正3)年、初三郎の描いた「京阪電車御案内」が皇太子(後の昭和天皇)の目に留まり、「きれいで分かりやすい」と称賛される。鉄道会社の依頼を受け各地の沿線名所案内を数多く描き「大正の広重」と呼ばれる。1930(昭和5)年に鉄道省観光局のポスター「Beautiful Japan」を制作するなど、大正末期から昭和戦前期にかけて観光グラフィックの分野で幅広く活躍した。

 初三郎の鳥瞰図はランドマークや建物を大きく描いたり、線路の車両や名所の桜をクローズアップしたりと変幻自在の工夫を施す。「万人が見て楽しみながら解(わか)り得べきもの」という本人の言葉通り、絵の中を旅しているような気分を味わうことができる。「初三郎式」と呼ばれる独特な鳥瞰図を生涯で1600点以上描いた。

 同展では10点以上の大型肉筆鳥瞰図をはじめ、ポスターや絵はがき、絵画作品を展示する。広い地域を湾曲して収める大胆な構図や細部まで描き込まれた描写に注目するほか、制作途中の校正刷りを見比べて当時の印刷技術を紹介するなど、多面的に初三郎作品の魅力に迫る。

 学芸員の大澤真理子さんは「初三郎が描いたのは、現実の景観を重ね合わせた上で生み出した現実には存在しない風景。それは見る側が見たいと望み、作る側が見せたいと願う、理想化された風景である」と話す。

 大澤さんによる展覧会講座「吉田初三郎の世界」を6月9日、開催する(先着60人)。小学生の子どもとその保護者を対象にした親子鑑賞会「親子で楽しむ初三郎の世界」は5月26日と6月29日、企画展示室で行う(予約不要、展覧会観覧料が必要)。同館館長で画家の藪野健(けん)さんによるワークショップ「館長と府中市美術館の鳥瞰図を描こう」は6月22日、創作室で開く(中学生以上、定員12人)。同館ウェブサイトで6月3日までに申し込む。催事は全て14時開始。

 開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。会期中は月曜休館。観覧料(コレクション展を含む)は、一般=800円、高校生・大学生=400円、小学生・中学生=200円、未就学児無料(「府中っ子学びのパスポート」と障害者手帳などの提示で無料)。7月7日まで。

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