本年度始まった調布市立第六中学校(調布市国領3)の「まなびの森」プロジェクトの拠点となる「MORI(もり)ルーム」の本格的な活用が始まり、9月には昼休みを使った「MORIコンサート」が始まる。
「まなびの森」プロジェクトは、調布市の研究推進校である同校が今年から2年間実施する研究テーマ。学校内に創造的な環境を整え、生徒との関係性を大切にしながら授業を変え、生徒の多様な学びのための教育を探究する。同校の佐伯あつ子校長は「生徒には仲間と協働して主体的に課題に立ち向かう力を育てたい。学校でさまざまな学びの仕掛け、学びの在り方を探究して、生徒の学びを後押ししたい」と話す。
プロジェクトの拠点となる教室「MORIルーム」は、木のぬくもりを感じる明るい森のような空間をイメージ。6月29日の学校公開で保護者や地域住民にも披露され、本格的な活用が始まった。授業のほか、昼休みや放課後を使って、外国人講師を招いた英会話ゲームやミニコンサートなどに使われている。
佐伯校長は「授業でMORIルームを使うときは、主に自由進度学習の場面で活用する。生徒は好きな場所で、好きな学び方を自分で選ぶ。図書室なども併せて使い、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に実践している。学校全体が『まなびの森』なので、ほかにどんな場所を有効に活用できるか探究していきたい」と話す。
MORIルーム完成記念で催した有志によるピアノコンサートは廊下まで人があふれた。そのため、昼休みの「MORIルームコンサート」は、以降は「MORIコンサート」として体育館で開催する。コンサートは出入りが自由で、昼休みになると生徒、先生、保護者、地域住民が体育館に集まる。「コンサートを鑑賞したい生徒は来る。もちろん来なくてもいいし、大人も同じ。床に座って好きな姿勢で鑑賞できる自由な雰囲気がいい」と佐伯校長。
「拠点が生徒・教師・地域の学び合いの空間になり、そこから校内に学びが広がっていくのを実感している。研修を受けながら熱心にさまざまなことに挑戦する六中の先生たちを見ていると、生徒のためだけでなく、先生も学び合い、教師としての力を向上させることができるプロジェクトになっている」とも。