書店の閉店が相次ぐ中、各地で広がりを見せているシェア型書店形式の「コマエブックスタンド『HACO(ハコ)』」が3月20日、小田急線狛江駅前にオープンする。
オープンに向けて準備中のコマエブックスタンド「HACO」の店内、本と人の交流拠点に
発起人は、狛江を拠点にイベント運営などを手掛ける山本雅美さんら。山本さんは「イベントのような一時的な場ではなく、持続的な本の拠点を設けたかった」と話す。古着店の一角を活用し、本棚の一区画を借りた棚主が選んだ本を販売するスタイルで、本と人の拠点づくりを目指す。
2023年、市内唯一の書店が閉店したことを受け、山本さんらは狛江駅構内の空きスペースで、地域住民が選んだ本を展示する「エキナカ本展」を開催した。約1カ月間で延べ約7000人が訪れ、来場者ノートには多くのメッセージが寄せられた。「予想以上の反響があり、本の可能性を実感した。本の拠点をつくりたいという思いが強まった」と振り返る。
HACOでは棚主が選書した本を販売するほか、独立系出版社の書籍や古書も取り扱う。本を持ち寄って交換できる「旅する本棚」も設け、これまでイベントで行ってきた「ブックスワップ(本の交換)」の常設拠点にもする。「棚主と一緒に作る書店であると同時に、新刊や古書も扱い、本の交換場所でもある。本を軸に多様なアプローチを展開していきたい」と山本さん。
今後は読書会やトークイベントなども開催予定で、本を介した新たな交流を生み出したい考え。「本の販売にとどまらず、地域の方が気軽に立ち寄れる秘密基地のような場所にして、『本の共有地』としての役割を担えれば」と話す。
店舗は再出店した紀伊國屋書店狛江店にも近く、オープンを記念し、同書店内の市民選書コーナー「BOOK and BENCH(ブック・アンド・ベンチ)」で、「HACO」の棚主による選書企画も行う。
山本さんは「棚主をはじめ、街の皆さんと一緒に本の拠点をつくっていきたい。ここに集まる本への思いや体温が訪れる人に伝わって、本の良さが分かる場所、本を介して人と人が緩やかにつながっていく場所になれれば」と話す。
活動資金を集めるため、クラウドファンディングで支援を募っている。リターンは、「来店して応援」「本棚オーナーになって応援」など複数のプランを用意。「まずは気軽に来店という形で応援してもらえればうれしい。中高生が本を手に取りやすい環境を整えたい」とし、不要になった本の寄付も受け付けている。
営業時間は未定。月曜・火曜定休(他、不定休あり)。クラウドファンディングは3月9日まで。