昨年閉店した老舗銭湯「鶴の湯」(調布市下石原1)が3月10日から、4月の営業再開に向けクラウドファンディングで協力を呼びかける。
温浴施設で働く母親の影響で子どもの頃から風呂好きとなり、これまでに国内外合わせて950軒以上の銭湯や温泉を巡ってきた相良政之さん。20歳の頃から銭湯経営を志し、IT企業に勤める傍ら、趣味で「銭湯ライター」として活動する中、閉店した銭湯の「銭湯代行業」を行う「ニコニコ温泉」(静岡)との出合いを機に転身。在職中は、「東京浴場」(品川区)をはじめ、3店舗の銭湯の再生を責任者として手がけてきた。自身の独立を考えていた中、8年前に訪れた「鶴の湯」の閉店を耳にし、外観や店舗のサイズ感など、将来手がけたい銭湯のイメージにぴったりだったことから、個人事業主として引き継ぐことを決意し退職。4月の営業再開に向け、同所に住み込みながら準備を進めている。
創業1952(昭和27)年から73年続いた同店は、老朽化で営業が困難となり、昨年7月に閉店。床下に配管を組む「関東式」の造りで、「配管が何重にも重なり、今まで見た銭湯の中で一番複雑」だといい、「設備の老朽化が想定以上だった」と話す相良さん。割れて水漏れしている配管の修理やサウナの補修、心臓部となる平釜やバーナーの入れ替えなど、銀行から1,500万円の融資を受けたが、設備修繕で大半を費やした。
昔ながらの「鶴の湯」の良さに新たな形を加え、「向こう30年以上営業できる事業モデルを目指したい」と、同店の名物だったラドン湯やレトロ感ある浴場のタイルや柱などは残し、入り口の壁を解体した開放感あるロビーに拡張するほか、屋外に外気浴ができるバレルサウナの設置などを計画。現在、工事費用の一部をクラウドファンディングで資金を募る。
リターンには、「入浴券」や鶴の湯オリジナルデザインの「Tシャツ」、「手ぬぐい」、「ステッカー」、1年間掲載できる銭湯の「鏡広告」などを用意する。
相良さんは「銭湯がどんどん減っていく現状をこれまで見てきて、どうにか再生することが自分にとっての使命だと思っている。多くの方に応援していただいているので、一日でも早く復活させたい。赤ちゃんから年配の方まで、近所の人たちに愛される場所になれるよう、皆さんの支援で一緒に作り上げていけたら」と協力を呼びかける。
目標金額は350万円。CF開始は17時。4月30日まで。