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狛江市内の小中学校にPepper無償貸与 プログラミング指導向けに教員研修

先行導入校である狛江第四中学校の技術科担当教員・桑野真嘉(まさよし)さん

先行導入校である狛江第四中学校の技術科担当教員・桑野真嘉(まさよし)さん

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 狛江市立第四中学校(狛江市東野川4)で3月28日、人型ロボット「Pepper(ペッパー)」でのプログラミング教育開始に伴う教員向け研修が行われた。

1グループで1台のパソコンを順番に操作して、Pepperを指示通りに動かす演習を重ねる教員たち

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 ソフトバンクグループが小中学校でのプログラミング教育を支援するため、「Pepper」を全国17自治体の公立小中学校282校に約2000台規模で3年間無償貸し出しする「Pepper 社会貢献プログラム スクールチャレンジ」を発表。文部科学省で2020年度から小学校でのプログラミング教育を新学習指導要領に盛り込む方向で議論されていることも踏まえ、学校教育の場でスマートロボットがICT教育の一環としてどのように活用できるのかを学校側と一緒にチャレンジ・検証していくことを目的とする。支援総額は約50億円で、同社の社会貢献活動としては最大規模になる。

 東京都では港区、狛江市、町田市の3自治体が選ばれた。狛江市にはPepper56体が貸与され、中学校3校、小学校5校の計8校に、各5、6体を常設する。

 同研修は、4月以降プログラミング教育を開始するため、すでにPepperが先行導入されている狛江第四中学校で行われた。市内小中学校から、各校でのプログラミング教育の先導役となる教員24人が参加。6グループに分かれてPepperの運び方など基本的な機器操作方法を学び、テキストに沿ってプログラミングを体験した。「先生たちがまず楽しむことが、子どもたちにプログラミングの面白さを伝える第一歩」と講師。初めてのPepper操作に、教員たちの表情は終始楽しげだった。同校の技術科担当教員・桑野真嘉(まさよし)さんは「このプロジェクトで目指している論理的思考の育成は、どんな職業に就いたとしても役立つ。プログラミングが自分たちの身近にあることだと子どもたちに伝えたい」と意気込む。

 立命館と開発したカリキュラムは小中学校共通のものを実践し、小中学生でも簡単に使えるプログラミングソフト「コレグラフ」を使って、各学年の理解度に合わせて授業を進行していく。スケジュールや導入学年など、授業の詳細については各校の判断に任され、今回研修に参加した教員を中心に、各校の特色や方針に合わせたカリキュラムを設計していく。

 プログラミング教育の成果を発表する場として、来年2月にはコンテストを開催。企画内容の説明・プログラム実演・コレグラフ解説を約10分で行う内容となる予定で、小学生部門、中学生部門、部活部門の3部門を設置。自治体代表を12月末までに選出、2月に全国コンテストをソフトバンク本社ビルで開催する。小中学生部門は、教員用指導書の範囲内の技術を使った「○○に役立つPepper」、部活部門は、技術の制限なしで「○○を笑顔にするPepper」を企画し、パワーポイントを使ってプレゼンテーションしていく。優勝校はシリコンバレーへの招待が予定されている。

 同市教育委員会・指導主事の坂本さんは「このプロジェクトは、プログラミング教育の良いツールになると考えている。プログラミングのスキルだけではなく、プログラミング的な思考や発想力、創造力といった資質・能力が育成されることが望ましいので、学校現場から出てくるさまざまなアイデアを大いに期待している」と話す。

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