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府中で絶滅危惧種の花「ムサシノキスゲ」が見頃 日本唯一の自生地・浅間山公園で

都立浅間山公園の「ムサシノキスゲ」

都立浅間山公園の「ムサシノキスゲ」

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 府中市の都立浅間山(せんげんやま)公園で現在、絶滅危惧種に指定されている「ムサシノキスゲ」が見頃を迎え、黄色い花を咲かせている。

見頃を迎えた「ムサシノキスゲ」、都立浅間山公園は唯一の自生地

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 「ムサシノキスゲ」は、標高約80メートルの浅間山に自生するユリ科の多年草。冷涼な高原に生育する「ニッコウキスゲ」が温暖な低地に適応した変種と言われており、明るい落葉広葉樹林に生育し、特に草地に近い場所を好む。花期は4月下旬~5月中旬の2週間ほど。かつては多摩地域に広く生育していたが、現在は、山全体が都立公園となっている同公園に自生するのみとなった。

 同キスゲは、「レッドデータブック東京2013」で、北多摩地区の「絶滅危惧II類」に分類されている。多摩丘陵に広く生育していたが、開発による自生地の消失などにより消滅。浅間山も、農業などに活用されず荒廃した雑木林と化したことで、生育に不適切な環境となり、消滅の危機にあった。危機感を覚えた近隣住民の要望により、都立公園として開園。樹林地の整備が行われ、地元市民団体によって30年以上にわたり保全活動が行われている。

 近年は、より専門的な管理を目指し「浅間山を考える会」を開催。専門家の意見を交えて策定した「浅間山公園保全管理ガイドライン」に従った保護活動の結果、年々同キスゲの生育環境は改善し、個体数も増加している。現在は、北西斜面を中心に約7000株が生育。今年は、芽生えは早かったものの、3月末~4月上旬の花冷えと降雨により生育はやや遅れたが、例年通り4月末~5月上旬ごろが見頃だという。

 同公園では毎年、地元市民団体と共催で「キスゲフェスティバル」を開催。今年で24回目となる同フェスティバルでは、園内の山野草と野鳥の写真展や植物観察会、浅間山自然保護会会員による植物ガイドなどのイベントが行われる。昨年は1万1740人が来園しており、人々の関心の高さがうかがえる。

 イベント開催日時は、4月29日・30日、5月6日・7日=10時~16時。植物観察会は、6日=10時~12時(雨天の場合は7日)。植物観察会は要事前申し込み(先着50人)。武蔵野公園へ来園、または電話(武蔵野公園サービスセンター、TEL 042-361-6861)。申込みは5月5日まで。雨天の場合は一部内容を変更。参加無料。

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