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調布で独建築家セルゲイ・チョーバンさん日本初・建築ドローイング展 サイン会も

セルゲイ・チョーバンさん(Sergei Tchoban) 建築家、アーティスト、キュレーター、建築ドローイングコレクター

セルゲイ・チョーバンさん(Sergei Tchoban) 建築家、アーティスト、キュレーター、建築ドローイングコレクター

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 東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で4月7日、セルゲイ・チョーバンさんの建築ドローイング展「凍てついた音楽の夢」が始まる。

「記念碑へのエクスカーション(「全体主義と建築シリーズ」より)」人間国宝 第九代 岩野市兵衛氏の越前生漉き奉書紙 86.7×61.2センチメートル 2016年

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 建築家のチョーバンさんは、1962年旧ソビエト連邦レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。1986年サンクトペテルブルク美術大学建築学院を卒業すると、ソ連崩壊直後の1991年ドイツに渡りドイツ国籍を取得した。現在はハンブルグとベルリン、ドレスデンにチョーバン・フォス建築事務所を構えている。ドローイングアーティストでもあり、美術コレクターとして「建築ドローイング美術館」(ベルリン)を創設した。ロシア語と英語のバイリンガル建築雑誌「speech」も創刊し、複数回にわたりヴェネチアビエンナーレ国際建築展ロシア館でのキュレーターを務めている。

 同展では、チョーバンさんの最新建築ドローイング作品を含めたおよそ30点を日本初公開する。作品は、プランニングのための「古典的」な建築設計図面ではなく、自由な発想に基づいた「建築的ファンタジー」ドローイングだといわれる。芸術的アプローチや描画手法には、時代を越えたタイムレスな輝きがあると評価されている。

 タイトルの「凍てついた音楽」とは、ドイツの哲学者フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ジョセフ・シェリングからの引用で、建築物を詩的なイメージで表現。音楽や建築からの古典的な着想と同時にチョーバン作品に流れる「冷たいまでの合理性と崩壊の美学」を総括しているという。

 チョーバンさんは2016年、越前市在住の人間国宝・第九代岩野市兵衛(いわのいちべえ)さんの生漉き奉書紙(きずきほうしょし)に出会い日本文化に深い関心を寄せた。今回の日本初展示に向けて日本文化への敬意を表し、同和紙を用いた作品を制作した。建築ドローイング美術館では日本のアニメ「パトレイバー」や「イノセント」で描かれたユニークな都市風景の原画展を開催したこともあるなど親日家。

 7日はチョーバンさんとキュレーターのヤン・フィリップ・フルーゾルゲさんによるアーティストトークを開催する(15時~、日本語訳あり)。トーク終了後、チョーバンさんの書籍サイン会も開催する予定。

 開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。月曜~水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小中学生=300円。6月24日まで。

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