調布駅北口近くの線路沿いで、黄色い昔ながらの看板で目を引くラーメン店「萬来軒」(調布市小島町1、TEL 042-486-1045)が年内中に、閉店することが分かった。
「踏切の音が聞こえなくなるので、さらに寂しくなる」と話す村山富士子さん
老舗の名物ラーメン店として1953(昭和28)年の創業から59年間親しまれてきた同店。現在の黄色い看板は、2代目店主の村山健一さんと富士子さん夫妻が20年ほど前にベージュ色だった外観を、電車の中からも目立つようにと塗り直したもの。昨年10月に健一さんが倒れ、富士子さんが呼び寄せた長男と共に営業を続けてきたが、同地が京王線地下化事業に伴う区画整理の場所となり、閉店することに決めた。
店舗面積は約7坪で、席数は12席。創業当時からほとんど変わらないメニューは、「ラーメン」(500円)、「塩ラーメン」(500円)、すり鉢でゴマを擦り、そのまま器として提供する「味噌ラーメン」(600円)、創業当時から珍しいと人気の高い「カレーラーメン」(700円)、「激辛ラーメン」(1,000円)、「カーレーライス」(500円)、「チャーハン」(700円)、「焼きそば」(700円)、「餃子」(400円)などのほか、定食やおつまみなどを提供している。
富士子さんは「常連のお客さまからは、場所を変えて続けてほしいという声もあるが、新たに始めることは難しく、寂しいが閉店することにした。ここまで続けられたのはお客さまのおかげ。おいしいと言ってくれることが喜びで、お客さまを家族のように接し、真心こめて営業してきた。8月19日には踏切の音が聞こえなくなるので、さらに寂しくなる」と涙ぐみながら話す。
閉店は10月ごろを予定しているが、現在は未定。営業時間は11時30分~19時。水曜定休。