6月16日の「和菓子の日」にちなみ、調布の和菓子店で記念セールなどが開催される。同日は「父の日」でもあることから、父親向けの特別セットを用意する店もある。
調布銀座や調布パルコに店を構える「松月堂」で15日に販売する「父の日」用の特別包装をした上生菓子4個入りセット。価格は1,000円。
全国和菓子協会によると、「和菓子の日」は、848(承和15年)に、仁明天皇が御神託に基づいて6月16日に16の数にちなんだ菓子、餅などを神前に供えて疫病をよけ健康招福を願い「嘉祥(かしょう)」と元号を改めたのが始まり。「嘉祥」とは「めでたいしるし」という意味。その後も鎌倉時代、室町時代と行事が続けられ、豊臣秀吉も「嘉祥の祝」を恒例として行っていたことが記録に残っている。民間でも「嘉祥喰(かしょうしょく)」といって十六文で菓子や餅を16個求め、食べるしきたりが続いていた。こうした行事は明治時代まで盛んに行われていたが大正時代になると廃れ始めた。この「嘉祥の日」を現在に復活させたのが「和菓子の日」という。
布田駅近くと天神通りに店を構える「清風堂」では通常94円の団子を50円で販売するほか、16にちなみ、まんじゅうや大福、どらやきなど16個の和菓子の詰め合わせ2,000円相当を616円で先着16人に販売(天神通り店のみ)。調布銀座や調布パルコに店を構える「松月堂」では16日が定休日のため、15日に実施。だんご3本220円を180円に、豆大福3個360円を250円で売り出すほか、「父の日」用の特別包装をした上生菓子4個入りセットを1,000円で販売する。つつじヶ丘の今木屋では父の日用に特別に製造する、ブランデーを染み込ませた「大人のどらやき」(1個180円)の販売を開始した。
清風堂の店主、宮野重夫さんは「和菓子店というと入りにくい雰囲気があるかもしれないが、コンビニより安いものもあり、一般的に洋菓子よりカロリーも低く、食物繊維もたくさん入っていて健康にも良い。こういった歳事をきっかけに和菓子にもっと親しんでいただければ」と話す。