調布の電気通信大学(調布ヶ丘1)で10月25日、ICT(情報通信技術)の防災への活用と地域情報の交流をテーマにしたフォーラムが開催された。主催は総務省関東総合通信局と関東ICT推進NPO連絡協議会。
定員100人の会場がほぼ満席となり関心の高さがうかがえる同フォーラム。同大の三木哲也特任教授が防災における日常的な情報交流の重要性を説く基調講演で始まり、その後、同大情報システム学研究課の山本佳世子准教授が、ソーシャルメディアをGIS(地理情報システム)と組み合わせ防災と地域活動に活用する講演を、調布市民放送局が、今年2月に実施された「災害時の地域情報を、スマートフォンを利用して収集するフィールド試験」の報告を、それぞれ行った。
事例発表では東京大学空間情報科学研究センターの古橋大地さんによる「調布マッピングパーティーの活動」や、AR(拡張現実)を使った地域情報の発信に関する取組事例などが報告された。その後行われたパネルディスカッションでは参加者から「モバイル端末が災害時に使えなくなることへの対策は」「スマートフォンやタブレット端末が使えない人はどうしたら良いか」など活発な質疑応答も行われた。
同通信局情報通信部長の山口浩さんは「政府では災害情報のより迅速で効率的な共有の仕組みとして『Lアラート』を構築しているが、防災には地域住民の連携が欠かせないことをこのフォーラムを通してあらためて認識した。地域連携を通した防災の取り組みは地域コミュニティーの活性化にもつながるはず」と同フォーラムを締めくくった。