狛江で「フードバンク」設立へ 生活困窮者支援、60代夫婦が二人三脚で立ち上げ

「NPO法人フードバンク狛江」設立総会の様子。会員22人、傍聴41人の計63人が参加した

「NPO法人フードバンク狛江」設立総会の様子。会員22人、傍聴41人の計63人が参加した

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 狛江市で昨年7月より緊急食糧支援活動を行ってきた「フードバンクを考える会」が2月7日、NPO法人設立総会を開催し「NPO法人フードバンク狛江」の成立に向けて大きく動き出した。

夫婦二人三脚でNPO法人フードバンク狛江設立に向けて奔走する代表の田中妙幸さん(右)と夫の究(きわむ)さん

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 発起人は、狛江市在住の田中妙幸さん(62)。大学卒業後、約27年間保育士として多くの子どもたちの成長を見守ってきたが、膝を痛めて保育園を退職。その後は介護福祉士として7年働くなど「人のケア」に長年関わってきた。フードバンクの取り組みに興味を抱いたのは2014年夏。近所に住む母子世帯の子どもとの出会いをきっかけに、生活保護を受けられずに困窮している人々の存在を知った。「私がやるしかない」と、フードバンクの草分け的な団体である「フードバンク山梨」の勉強会や「フードバンクかわさき」の活動に参加するなどして知識と経験を蓄え、同年12月に任意団体「フードバンクを考える会」を立ち上げた。

 同団体は、狛江市福祉保健部の生活困窮者相談窓口「こまYELL(こまエール)」と連携して昨年7月より緊急食糧支援活動を開始。今年1月までに同窓口を通じて36回ほど支援を実施した。食糧は、家庭で余っている食べ物を持ち寄ってもらうフードドライブイベントや知人などから寄贈されたインスタント麺、米、レトルト総菜が主。それらを現在は、自宅の一室で管理している。

 義理母の介護生活を送りながらの活動に当初は反対していた夫の究(きわむ)さんも、今では本業の合間を縫って支援活動や法人化手続き事務に従事。夫婦二人三脚で思いの実現に向けて走る日々を送っている。

 田中さんは「このフードバンクは、生活保護を受けられずに困窮している人を支援する方法の一つであり、根本的な解決には至らないが、空腹が満たせれば明日への希望も見いだせる。まずは、狛江市内でさまざまな支援の輪を広げて、心豊かな地域にしていきたい」と話す。

 正会員、賛助会員を募集しており、正会員(個人=年額3,000円)、賛助会員(個人=1口3,000円、法人・団体=1口1万円)。問い合わせは田中さん(TEL 03-5497-0272、Eメールf.b-komae@outlook.jp)まで。

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