調布・深大寺の自然林で現在、自然繁殖したホタルが飛び交い、近隣住民の目を楽しませている。
江戸時代にはホタルの名所として知られていた同寺。その後、環境の悪化に伴い、見ることができなくなっていたが、2006年よりホタルの復活を望む市民らが水質や土壌の改善を始めた。専門家による調査で「残留農薬などがあり、ホタルの再生はほぼ不可能」と言われたが、粘り強く改善活動を続けながら、幼虫の放流などをした。
2011年に放流を停止し、2012年に初めて自然繁殖したホタルを確認。その後、近くの街路灯にホタルへの影響が少ないオレンジ色のフィルムをかぶせたり、幼虫が上陸するための水際の除草作業を続けるなど、毎年活動を続けている。
現在、数十匹のホタルが深沙の杜(じんじゃのもり)の脇や裏手などで確認されており、5月末くらいまでは観賞できる見通し。毎晩のように見に来ているという近隣住民の方によると、蒸し暑く、風が穏やかな日がよく飛ぶという。
観賞に際し、「生育地(深沙大王堂と一休庵の間の茂み)に入らない」「懐中電灯やカメラのフラッシュを当てない」「弱いので手に取らないで優しく見守ってほしい」と、活動を続ける市民は呼び掛けている。
調布では同市の野草園(深大寺南町1)でもホタルを観賞できる。今年の日程はまだ決まっておらず、5月末から6月初めでの開催となる予定。詳しくは同園に電話か同市のホームページに掲載される。