関東屈指の古刹(こさつ)、調布・深大寺(調布市深大寺元町5)の白鳳仏(はくほうぶつ)が3月10日、国宝に指定されることに関し文部科学大臣に答申された。
国宝とは、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いものとして国が指定したもの。今回、国宝に指定された白鳳仏(釈迦如来倚像)は7世紀末に制作されたと考えられる全高83.9センチの金銅仏。
文化庁では同仏像を「明るい表情を浮かべた少年を思わせる面影や体に密着した肉付けの起伏をあらわにみせながら流麗な衣文(えもん)が表される着衣など、いわゆる白鳳仏の特色をよく示し、飛鳥時代後期の名品として知られる作例」と解説し、国宝に指定するにあたり「近年、飛鳥後期の美術に関し、外来影響の受容のありさまや材質技法の特色など研究が進展したことを踏まえ、この時代の代表作の一つである」と評価する。
同仏像が国宝に指定されれば、関東の寺院所在の国宝仏では神奈川県高徳院の銅造阿弥陀如来坐像(通称:鎌倉大仏)に次ぐ2例目で、東日本最古の国宝仏誕生となる。