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府中・復活の日本酒「新 國府鶴」披露試飲会 産学連携の新酒も

府中で復活した「新國府鶴」を持つ、蔵元の野口英一郎さん(左)と杜氏の木下大輔さん(右)

府中で復活した「新國府鶴」を持つ、蔵元の野口英一郎さん(左)と杜氏の木下大輔さん(右)

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 約40年ぶりに復活した野口酒造店の日本酒「新 國府鶴(こうづる)」のお披露目試飲会「40年の時を超え 武蔵国府中の手造り地酒復活と産学連携の取り組み」が11月9日、フォーリス(府中市宮町1)光と風の広場で開かれる。

右手前から新國府鶴「純米大吟醸」「さくら福姫」「純米辛口」「純米」

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 同社は江戸時代から続く酒蔵だが、都市化により府中での醸造が難しくなった1986(昭和61)年から委託醸造を行っていた。2022年に東京農工大学大学院農学研究院(幸町3)と「武蔵日本酒テロワールプロジェクト」の協定を結ぶと、同大が開発した酒造米「さくら福姫」などを使い、今春完成した府中の酒造場で仕込みを復活させた。かつての武蔵国(東京都・埼玉県・神奈川県川崎市と横浜市)の農家が生産した米と、新酒造所で新しく掘った井戸水を使い「オール武蔵」の日本酒が完成した。

 5月末に搾った新酒は大國魂(おおくにたま)神社にお神酒として納められ、6月に奉納奉告祭が行われた。7月から各地の日本酒フェアなどで「新 國府鶴」を紹介し、10月5日の「武蔵の國の酒祭り」で一足早く参加者に試飲提供した。

 当日は、新國府鶴の「純米」「純米辛口」「純米大吟醸」「さくら福姫」「生酒」の5種類を一杯ずつ提供する。「さくら福姫」は農工大の新品種を契約農家が減化学肥料・脱炭素栽培で収穫した米で仕込み、米と同じ名称を冠する限定品。桜色の鶴のラベルが、新しく加わった酒に花を添える。会場では、同大と行う米の共同研究など産学連携の取り組みについても展示紹介する。

 7代目蔵元の野口英一郎社長は「國府鶴は『国府の地で鶴のような美しい酒を造る』という意味を込めて代々造られてきた。多くの人々の協力と知恵で復活した酒を味わっていただきたい」と話す。「市内の飲食店にも卸しているので、家族や仲間とおいしい料理を食べながら新國府鶴を飲んでほしい」とも。

 現在、事前申し込みを受け付けている。開催時間は11時~17時(45分間ずつ5回、完全入れ替え制)。入場無料。試飲は500円~(オリジナルおちょこ、ガチャ1回券付き)。試飲代は産学連携に活用する。申し込みは公式ホームページとSNSで受け付ける。当日試飲の申し込みは、各回先着15人まで(10時20分から整理券配布)。

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