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調布からアメリカに渡ったアスター「ジンダイ」 39年ぶりにふるさとで開花

ガーデンコンテスト花壇で咲く、古里に戻ったアスター「ジンダイ」(10月16日)

ガーデンコンテスト花壇で咲く、古里に戻ったアスター「ジンダイ」(10月16日)

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 かつて調布の神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)からアメリカに渡り世界で親しまれているアスター「ジンダイ」が、ふるさとの同園に戻り、現在、39年ぶりに花を咲かせている。

植物会館前で展示中の長年育てているアスター「ジンダイ」(10月10日)

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 アスターはキク科の多年草で、名前の由来である星形の小さな花を頭部に多くつける。同植物の一種であるシオン(紫苑)は園芸植物としていくつかの品種があり、その一つがジンダイ。アスター「ジンダイ」は一般的なシオンより背が低いのが特徴で、100センチほどしか成長しない矮性(わいせい)品種。

 アスター「ジンダイ」は世界的ガーディナーなど多くの園芸家が庭に植える宿根草だが、長らく来歴が不明だった。同園で開催中の「第2回東京パークガーデンアワード神代植物公園」の関係者たちが多くの情報をたどり、この度、いきさつが判明した。

 1985(昭和60)年、米ロングウッドガーデンのリック・ダークさんが国立樹木園との共同調査で来日。北米の園芸業界に役立つ植物を探していた彼らは、日本各地の在来植物の自然植生地や植物園、苗生産者を巡る中で神代植物公園も訪問した。展示植栽地でひときわ草丈の低いアスターが目に留まったリックさんは、園長の柴沼弘さん(当時)に交配種かを尋ねると「いいえ、純粋に種から育てているもの」と言われた。アメリカのアスターより倒れにくく、真っすぐに成長する姿が気に入ったダークさんは、園長の協力で親株を分けてもらいアメリカに持ち帰った。ダークさんは同園に敬意を表して「Jindai(ジンダイ)」の名前を付けて世の中に紹介した。生産栽培分野でアスター「ジンダイ」の性質は安定しており、北米の環境にも適応し多くのガーデンに広まった。

 同園の調査でアスター「ジンダイ」は当初、シオン「ダルマ」の名で植えられていたことが分かった。現在も大切に育てられ、当時の株から美しい薄紫色の花を咲かせている(植物会館前で展示中)。さらに、正門前のガーデンコンテスト花壇では特別に輸入したアスター「ジンダイ」も開花している。

 主に調査を進めたナーセリー(種苗専門家)の鈴木学さんは「公共植栽の場で外来種と在来種については慎重に扱う問題だが、当時の人たちのつながりで海を渡った植物が世界中で親しまれるガーデンプランツになり、40年近くたってふるさとに戻ってきたことは夢のある話」と話す。同園広報担当の土方千鶴さんは「この機会に多くの方にアスター『ジンダイ』のかわいらしい花を見ていただければ」と呼びかける。

 開園時間は9時30分~17時(最終入園は16時)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。

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