
都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)が9月14日・15日、「秋の大温室夜間公開」を開催する。
大温室の夜間公開は7月にも行われ、2日間で延べ7000人以上が訪れた。夕方から開花して芳香を放つ珍しい熱帯植物を見たり、噴水近くの芝生に座って光とシャボン玉の演出を眺めたりと、夜の自然を楽しむ人たちでにぎわった。
今回は公開エリアをつつじ園まで広げて、池に広がるオオオニバスの巨大な葉と花を見られるようにする。同園のオオオニバスは南米原産の「パラグアイオニバス」で、葉の大きさは直径約1.5メートルに達し、人が乗れるほどの浮力を持つ。花は2日間しか咲かず、1晩目は白で2晩目は赤みを帯びる。夕方に咲いた花は甘い香りでカブトムシを誘い込み、朝に閉じる。翌晩は香りを放たず、虫が花粉を付けて飛び立ち1晩目の花に移動して受粉を助ける。
ばら園テラスでは18時30分と19時30分から約20分間、深大寺の僧侶が声明(しょうみょう)を披露する。声明は経文に旋律や抑揚を付けて唱える仏教声楽で、起源は古代インド。1200年の歴史を持つ「天台声明」は、雅楽や舞楽と結びつき伝統音楽へと広がった。同園広報担当の土方千鶴さんは「7月に初めて行ったとき、神秘的な倍音の響きに多くの人が感動していた。秋の自然の中で、再び優美な声明に耳を傾けていただければ」と話す。
大温室前の噴水では、今回も光とシャボン玉による空間演出を行う(小雨でもシャボン玉が飛ばないと中断)。7色の照明に照らされたシャボン玉が噴水と共に夜空に舞い上がりロマンチックだと写真や動画に収める人が多い。ばら園北側の桜並木では、軽食やドリンクを販売する「夜カフェ」も臨時営業する。
開催時間は17時30分~20時30分(最終入園は20時)。一般開園終了後に立ち入り区域を制限して正門を再開門する。参加費は、一般=1,000円(現金のみ)、中学生以下無料。年間パスポートや障害者手帳などの所持者も有料。荒天中止。