調布インター近くの遠州屋材木店(調布市下石原1)が12月29日、恒例の干支(えと)看板を飾り終えた。現在、「縁起が良い」とされる「午(うま)」が地元の新年を祝っている。
「馬のように前に進みうまくいく年に」と願いが込められた「午」の干支看板
材木店では正月を迎えるにあたり、林場(りんば)と呼ばれる木材置き場を整え、美しく見せる習わしがある。同店では林場を整頓するだけでなく、地域の正月を祝う目的で、1990年ごろから角材を使った干支の絵を飾り続けている。
慌ただしい年末の12月27日、社長の内山信一さんと従業員が、店前の林場に「午」の絵のパーツが描かれた角材の束を並べた。バランスを取りながら角材を組み合わせ、約2時間かけて大きな「午」の絵を完成させた。29日には看板上部に大きなしめ縄を巻き、正月飾りとして祈念し、干支看板が完成した。
内山さんは「一年が無事に終わったことに感謝しながら、従業員と力を合わせて飾っている。飾り終えると、商売繁盛や家内安全など、幸運が舞い込むよう毎年祈念している。年末は対応中の現場もあり仕事納め当日まで大変だったが、無事に飾れて良かった」と話す。
林野庁によると、日本の木材の自給率は42.5%(2024年)で、残りは北米やヨーロッパなどから輸入している。干支看板の角材はロシア産の赤松だという。「木材の価格低迷などにより、日本の林業や製材業は廃業している。日本の森林を守るには、国産材を活用する循環利用が必要。住宅や公共施設などの建築にもっと木材を使うことが、木造建築という日本の伝統を守ることにつながる」と内山さん。
林場が広い同店の干支看板は「見栄えが良い」と評判で、近隣住民だけでなく、遠方から足を運ぶ人もいるという。市内で干支看板を飾る材木店は同店のみで、年末年始の人気撮影スポットとして見物客が年々増えている。
35年続く地元の新年の風物詩。内山さんは「毎年、干支を楽しみにしている方が多く、飾り続けてきたかいがある。当社にとって一年の締めくくりであり、新年の始まりの儀式でもある。仕事始めにはまた気持ちを新たに皆で撤去したい」と話す。
看板は5日7時30分ごろから撤去する予定。安全確保のため、撤去作業中は敷地内への立ち入りは禁止。