調布・神代団地にアトリエショップを構える染色作家ユニット「kata kata(カタカタ)」が制作した初の絵本「にっげろー!」の販売が12月26日に始まった。企画・プロデュースは、調布市を拠点に活動する「手紙社」。
染色作家ユニット「kata kata」の松永武さんと高井知絵さん
「kata kata」は、日本の伝統技法「型染め」を用いたテキスタイル作品を制作する染色作家ユニット。東京造形大学在学中に出会った松永武さんと高井知絵さんが2004(平成16)年、学園祭への出店をきっかけにユニット活動を始めた。高井さんは型染めの染色作家である両親の元で育ち、幼い頃から実家の工房で染色に親しんできた。松永さんは、高井さんの実家の工房を訪れたことをきっかけに、型染めの魅力に引き込まれたという。
大学卒業後に作家活動を本格化させ、展示会を開いた際、後に「手紙社」を立ち上げる北島勲社長と出会った。手紙社の原点となった、作り手が集うイベント「もみじ市」への出店を皮切りに、同社主催のイベントのポスターデザインなども手がけ、同社に欠かせない存在となった。2014(平成26)年には、同社が手がけるカフェの並びにアトリエショップを開いた。
アトリエでは、下絵のデザインから染め上がりまで一貫して手仕事で作品を制作している。型染めの魅力について、2人は「型紙を彫る力加減や、染めない部分にのせるのりの塗り方によって、異なる表情が生まれること」と話す。デザインのモチーフは、生き物や植物を中心とした日々の暮らしの中のもの。物語が想像でき、会話が生まれるデザインを目指しているという。
活動当初から絵本制作を目標に掲げ、結婚と子育てを通して数多くの絵本に触れた経験が、今回の制作につながった。絵本のテーマは、子どもたちが好きな「追いかけっこ」。初めて手がける絵本でも、身近な生き物をモチーフに、生態系の中で繰り広げられる捕食のドラマを描画。楽しく、躍動感あるグラフィックデザインとリズムを意識したという。
価格は1,980円。全国の書店やオンラインで扱う。1月12日まで、「TEGAMISHA BOOKSTORE」(調布市下石原2)で原画展を開き、11日には、型染めを体験できるワークショップと、音楽やパントマイムを交えた絵本の読み聞かせライブも予定している。
松永さんと高井さんは「『にっげろー!』を合言葉に、大人も童心を思い出して、子どもと一緒に楽しんでもらえれば。今回で絵本作りを学んだので、次回作にも取り組みたい」と意欲を見せる。