子育てと親の介護を同時に担う「ダブルケア」をテーマにした漫画展「かさなる日々はおかしなものがたり」が2月5日から、調布市仙川駅近くのコミュニティースペース「POSTO(ポスト)」(調布市仙川町1)で開催される。
ダブルケア漫画展を主宰するtazulabo大澤奈保子さん 会場のPOSTOで
企画したのは、調布市在住のフリーデザイナー、大澤奈保子さん。2018(平成30)年に父を亡くした後、母と同居を始め、2020年に母が認知症と診断された。フルタイムで勤務していた会社を介護離職し、その後、妊娠・出産を経験。子育てと介護が重なる「ダブルケア」の当事者となった。自分の置かれている状況が「ダブルケア」と呼ばれ、同じ状況にある人がいると知り、「少し救われた」と振り返る。
一方で、ダブルケアの情報の多くは深刻な内容が中心で、当事者以外が知る機会は少なく、「周囲に理解されず、居場所がないと感じたこともあった」と大澤さん。昨春、母が介護施設に入居したことをきっかけに、次世代にもダブルケアへの理解をつなげたいとの思いで、「tazulabo(タズラボ)」を立ち上げ、啓発活動を開始。当事者以外にも知ってもらえるよう、重くなりがちな介護の話題を、親しみやすく想像しやすい「ちょっと気の抜けたタッチ」の漫画で伝えている。
毎年2月は「ダブルケア月間」とされ、全国各地で啓発活動が行われている。今回はその取り組みに合わせ、漫画パネル展として開催。会場には、「街の居場所」として日頃から多世代が利用するコミュニティースペースを選び、「フラッと立ち寄った人でも気軽に見られる展示」を目指す。期間中は「クスッと笑える」描き下ろし漫画を展示し、パネルには不要になった資材を再利用するなど、環境面にも配慮した。
会期中、活動を通じて知り合った介護福祉士、看護師、地域で活動する人が「ケアのとなりのマルシェ」を出店する。ダブルケア当事者が主宰する文香作りワークショップ、介護に役立つ書籍を取り扱う書店、福祉用具体験、トークイベント、読み聞かせなどを用意し、「ケアする人も、ケアされる人も、どちらも楽しめるイベント」を目指すという。
大澤さんは「いつ訪れるか分からない介護を身近なこととして感じてほしい。ケアする人にとっては少しでも気持ちが和らぐ場になり、ケアに縁のない人にとっては知る機会になれば」と話す。
開催時間は8時30分~16時。入場無料。2月11日まで(10日は休業)。