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狛江・慈恵医大西部医療センターが宿泊型産後ケア開始 大学病院の強み生かす

「東京慈恵会医科大学西部医療センター」産後ケアサービスのアメニティー

「東京慈恵会医科大学西部医療センター」産後ケアサービスのアメニティー

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 1月にリニューアルした東京慈恵会医科大学西部医療センター(狛江市和泉本町4)の産婦人科で宿泊型の産後ケアサービスが始まり、1月14日に初めての利用者を迎えた。

「東京慈恵会医科大学西部医療センター」産婦人科の加藤さや子医師(左)と助産師の寺本留美さん(右)

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 同院では長年にわたり、妊娠前から出産、産後まで切れ目のない診療体制を整え、年間100件程度の出産をサポートしてきた。同科の加藤さや子医師は「出産後は医療との接点が少なくなり、コロナ禍以降は特に、核家族化や里帰り出産の減少で家族の十分な支援を受けられず、不安や疲労を抱え込む母親が増えている。『産後も病院を頼っていい』ということを広めていきたい」と話す。

 「産後うつ」が背景にある深刻な事例も過去に経験し、医師や助産師の「防げた可能性はなかったのか」という問題意識から、助産師主導で調査研究を開始。2019年から約2年間かけ、産後の母親へのアンケート調査を行い、困っていることや支援が必要なことなど約130件の声を集約した。研究結果を基に病院内で対応策の議論を重ね、約1年半の準備期間を経て、病院のリニューアルに合わせ、産科病棟の一部を活用した宿泊型の産後ケアサービスを始めた。慈恵医大としては初の取り組み。

 宿泊は1泊2日から6泊7日まで。利用者の希望や状況に応じた助産師による個別支援を中心に、授乳指導や育児相談などを目的としたケアを行う。「病気でなくても頼れる場所」という考えから、着心地や使いやすさを重視したパジャマ、リネン、アメニティーを選定。リラックスして過ごせる環境づくりの工夫を重ねた。費用は、狛江市と調布市の助成を受けると1日当たり3,500円で利用できる。

 サービス開始と同時に、他院出産の利用者を中心に続々と予約が入った。周辺地域の産後ケア施設が混雑していることも背景にあるという。利用者からは「ずっと空きを待っていた」「大満足」「また利用したい」などのアンケート結果が届いている。現在は生後2カ月までを対象としているが、今後、対象期間の拡充やオプションサービスの充実も視野に入れる。

 同サービスを担当する助産師の寺本留美さんは「この病院で産まれ、医師や看護師として戻ってくる人もいる。生まれる時から人生の後半までに向き合う病院として、気軽に相談できる、地域に根ざした場でありたい」と話す。加藤医師は「大学病院の強みは、身体面だけでなく精神面の支援や他科との連携ができること。どこに相談すればいいか分からない時でも、まず連絡してほしい」と呼びかける。

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