調布の富士フイルム現像所(調布市柴崎1)で現在、年賀状のプリントがピークを迎えている。今年は東日本大震災を受け、広く幸せや健康を祈るメッセージが込められたものも見られるという。
同社は富士フイルム国内最大級の現像所で、フジカラーブランドの写真現像や焼き付け、デジカメプリント、フォトブック、ポストカードなどの写真関連商品を総合的に製造している。毎年11月から全国の店舗やインターネット、ファクスなどから寄せられる年賀状注文を処理し、昨年は約3500万枚を作成。ピークとなる12月2週目~3週目には、1日に最大約200万枚を処理するため、休日も工場を稼働させ、パートタイマー350人を増員し対応する。
同ブランドの年賀状デザインは595点。近年はインターネットから既成のテンプレートとあいさつ文を選び写真と一言コメントが添えられるタイプが人気で、今年は震災があったことから、お祝いの表現を控えめにした『幸多き一年でありますように』『笑門来福』など、今年限定のあいさつ文を用意している。
「震災の影響で年賀状は自粛傾向になるのではと心配したが、12月に入り寒さとともに注文が伸びている。こんな時だからこそ年賀状でのあいさつが見直されているのでは」と、年賀ポストカードの作成を担当するマネジャーの中山潤さん。富士フイルム広報部の宮田恵実さんは「年賀状は自分の近況を伝えられる新年の大切なコミュニケーションツール。写真付きの年賀状で大切な方との絆を深めていただければ」と話す。
同社では来年1月13日まで年賀状の注文を受け付けている。