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「震災忘れないで」-調布で被災地児童たちが心の音書いた「書」展示

東京アートミュージアムで被災地の子どもたちの書を展示している。企画した、タレントで書家の矢野きよ実さん(写真左)と支援する城南信用金庫の新田輝夫さん(写真右)。

東京アートミュージアムで被災地の子どもたちの書を展示している。企画した、タレントで書家の矢野きよ実さん(写真左)と支援する城南信用金庫の新田輝夫さん(写真右)。

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 東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で7月5日から、東日本大震災で津波被害を受けた東北の子どもたちが書いた「書」を展示する「子どもたちの心の音-被災地 陸前高田・石巻より-」が開催されている。

被災地で書を書く子どもたち。一番強い気持ちは「震災を忘れてほしくない」

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 愛知県を拠点に活動するタレントで書家の矢野きよ実さんが、日本赤十字愛知県代表活動として被災地を視察し現在も継続的に行っている支援活動「書きましょ」で、子どもたちが書いた作品約100点を紹介。支援活動は、震災以降、自分の気持ちを伝えることが難しくなった子どもたちが、心に秘めた思いをありのままに表現する場として始めた。

 岩手県陸前高田市や宮城県石巻市(雄勝)の小学生を中心に、自由に思っていることを書いてもらうと、「一本松」や「海」など次々に書き出し、中には父親を亡くした子どもが「父」と書いたり、同じく父親を失った児童が一緒に出掛けた山の名前をあれこれ書いてから最後に父親の名前を書いたりした書もあるという。矢野さんは「子どもはもちろん、先生や親も、同じつらい思いを抱えている。子どもたちはさまざまな言葉を書に表すが、一番強い気持ちは『震災を忘れてほしくない』ということ。東京での開催に子どもたちは、たくさんの人が自分の書を見てくれると喜んでいる」と語る。

 同展は、矢野さんと同じく被災地で支援活動をしていた城南信用金庫が会場探しを手伝い、同ミュージアムでの開催が決まった。同金庫の担当者は「震災の記憶を風化させないためにも一人でも多くの人が見て、子どもたちの心を知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 神奈川県から来たという学生らは「『わらえば わらうほど 花がさく』という言葉に感動した。子どもたちの書から勇気をもらい、自分の日常がとても大切なことだと実感した」と話した。

 同館の伊藤容子さんは「縁あって被災地支援の展示ができた。入場料は義援金として、被災地の子どもたちの活動に充てる。支援活動は長く続けていきたい」という。

 開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。月曜・火曜・水曜・8月12日~16日休館。入館料は、一般=300円、高校生=200円、小中学生=100円。9月2日まで。

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