調布の老舗米穀店、社員自ら米作り-「食の安全」詳細情報公開も

明治から続く老舗米店の社員自ら米作りをする「山田屋田んぼプロジェクト」のメンバー。

明治から続く老舗米店の社員自ら米作りをする「山田屋田んぼプロジェクト」のメンバー。

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 調布で米の小売りや業務用向けの精米販売などを手掛ける山田屋本店(調布市布田2、TEL 042-482-4585)が現在、社員らが自ら米作りをする「山田屋田んぼプロジェクト」を進めている。

「山田屋田んぼプロジェクト」の杉山俊樹さん。

 同社は1905(明治38)年創業で今年108周年を迎えた老舗米穀店。百貨店やホテル、企業などに精米を販売するほか、直営店「調布本店 お米館」や「銀座三越店 米屋彦太郎」「多摩センター三越 お米館」「新宿高島屋店 米蔵山田屋」「二子玉ライズS.C東急フードショー店 米屋彦太郎」など5店舗を展開している。昨年まで調布駅東口近くにあった精米工場は山梨県へ移転し、現在は甲州街道沿いに本社屋を建設中で、今年11月に完成予定。「調布本店 お米館」は同本社屋内に移転する。

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 プロジェクトでは、放射能の影響などから「食の安全や安心はどこにあるのか」という疑問を持ったことや販売のプロとして細やかな情報を公開したいとの思いから、「専門店にしかできないこと」を考え、米作りを企画。販売スタッフ自らが生産者となって米を栽培し、生産者、販売者、客との距離感を縮めたいとの思いを込め、田んぼの確保に奮闘。賛同した長野県松本市の取引先から10アール2枚分の田んぼを借りることができた。今年3月から活動を開始し、オリジナルブランド米の商品化を目指す。 

 4月に育苗し、5月の田植えには百貨店のバイヤーも参加した。農家からアドバイスを受けながら、化学肥料を使わずに農薬も県産レベルの半分に落とす予定で、稲に栄養が行き渡るよう田植えの間隔を広くし、草刈りや水管理なども徹底。7月20日には田んぼの生き物調査を行い、準絶滅危惧に指定されているゲンゴロウなどが生息していることが分かった。現在、稲は75センチほどになり、順調に成長している。収穫した米の販売予想数は1店舗につき10俵540キログラム。

 同社の杉山俊樹さんは「手植え作業を体験し、米作りの大変さを知った。長く続けられるように環境に負荷をかけない稲作を目指し、毎年恒例の米としてお客さまが楽しみにしてくれるような商品にしていければ」と話す。

 10月をめどに収穫した米は、直営店などで販売予定。